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サッカー編 その2

 

 

球技ルールで遊ぼう・第9回

 
 
 久々ですが、唐突に思いついちゃったことがあるので書いときます。

 「スポーツ観戦が好きだがサッカーはちょっと」という人と話してると、理由
としてよく出てくるのが「1得点ずつで逆転とか無いからつまんねー」みたいな
言。まぁ出会いの順番的に馴染み損ねたことからの、後付の理由なことも多かっ
かりするんじゃないかなーとも思ったりするのですが、アメリカ方面で人気の高
いスポーツなんかは確かに、逆転可能性があるものだったり、逆転要素が入るよ
う後からわざわざルール改訂されたりしてるので、そういうのを求める強い要求
は根強いものなんでしょうか(欧州とかではサッカーはじめ逆に、そういうダイ
ナミックさは求めず状況なりに楽しみを見出す文化があるような気がします)。

 そんならサッカーに逆転要素を付加するのも やりようはあるかもよ、ってこと
で、以前第1回でもちょいと考えてみたりもしたのですが、今回はその時とはまた別のやり方を。

 
 

◆妄想・一発逆転のあるサッカーをでっちあげてみる

 第1回の時には「1ゴール2得点が入る場合」というのを設定することで逆転
ゲームの余地を作ってみたわけですが、今回の思いつきは「いつでも常に即逆転
の可能性がある」形です。

 それはこんなの。

 

 ●ゴールの効果を変更

   ゴール → 「得点+1」ではなく、
   ゴール → 「勝ち権利の獲得/移動」とする。

 
  たとえば。チームAとチームBの試合。

  チームAが先制してゴール。
       ↓
  これによって、チームAが勝ち権利を得る
  このまま試合終了時間が来れば、試合はチームAの勝利となる。

 
  一方、ゴール=勝ち権利を失ったチームBが、
  その後にゴールを返すと。
       ↓
  通常のサッカーなら同点で五分となるところだが、
  このルールでは、ゴールしたチームBに勝ち権利が移動する
  一転、このまま試合が終わればチームBの勝利となる。

 
  常に「試合時間終了時点で、最後にゴールしたチームが勝利」となる。
  両者にゴールが生まれなかった時のみ、試合は引き分けとなる。

 
 どんなに負けている状況でも、1ゴール決めれば勝てる。
 常に一発逆転の可能性がある。
 こりゃあスペクタクルだ。

 しかし、それならば。

 このルールで試合する場合、ゴールして勝ち権利を持っているチームが さらに
ゴールを決めることには、何の意味も無いのか?

 
 それではつまらないので、ゴールを重ねることで得られるメリットを別に考え
たいところです。

 こういうのはどうでしょう。

 

 勝ち権利を持っているチームがさらにゴールしたら、1ゴールごとに
 相手チームはメンバーの誰か1人を退場させなければならない。

 
 退場で人数が減ればそれだけ不利になり、逆転ゴールの生まれる可能性は低く
なっていくので、優位なチームにメリットがあります。

 それでも逆転の可能性がゼロになることはない。
 それこそ全員退場にでもならない限りは。

 さすがに失点による退場人数には上限を設けるべきでしょう。

 現行サッカーでも、一方のチームが7人未満となった場合は
 没収試合になる規定があります。

 この規定の人数感覚に倣うと、失点による退場はギリギリ没収試合に
 ならない4人まで、とするのがいいのかも。
 つまりこの場合、5つ以上の追加ゴールは実質意味がない、と。

 ※まぁこのルールの場合、反則行為のレッドカードの無いクリーンな試合
  でも追加ゴールで双方がバカスカ退場していく可能性が常にあるので、
  没収試合規定そのものは適用しなくていいかもしれませんけどね。
  あるいは適用ラインの人数設定を下げるか。

 
 追加ゴールを受けてしまった時に、退場させるメンバーに誰を選ぶのか。
 攻撃の選手か、守備の選手か。
 そうした監督のメンバー管理策も、大きな見どころのひとつになるかも。

 
 最後に、この形式で試合する場合 他のルール面では、PKの扱いだけは何か
しら調整を加えた方がいいかも。
 微妙な判定が試合結果に及ぼす影響が、今以上にクリティカルなものになる
だろうし。

 
 

ゴルフ編 書き捨て

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球技ルールで遊ぼう・第8回

 
 
 さて今回俎上に載せるのはゴルフなのですが。
 新年早々すみません。今回は主旨をそれて、内容が多分に悪口です。
 ルールをコネコネいじって遊ぶ部分とか、ほぼありません。
 スポーツの話をしてるうちに、吐き出しときたくなっちゃったもので。

 今年は 新作ゲームの詳細を模索していく過程とか、発表していくものを
増やしてここのブログも内容を拡充していきたいなーとか思ってますが、
まあ今回は中身のない愚痴を貼り付けておくことをお許しいただきたい。
たいのです。

 
 

◆ゴルフってば

 ゴルフって遊戯は球技としては、常に止まってるボールだけを扱うとか
特殊な点はいろいろありますが。
 数ある球技の中ではいちばん……良くいえば贅沢。悪くいえばムダの多い
代物だと、ずっと思っておりました。

 卓球用ボール並の、球技最小クラスのボール使いつつ、プレーフィールド
に最大の面積を使う。

 ユニフォームでなく自由ファッションで、それが見栄の場ともなる。
その上でドレスコードなんて設けられたりする。

 無闇に高価な道具を使う。しかもクラブならそれを十数本。
(だいたい「メタル製ウッド」ってなんだよ)

 ボールを筆頭に用具の消耗率もけっこうなもの。

 
 ゴルフというゲームのあり方そのものは、嫌いじゃないのです。
 立ち向かうのが相手チームじゃなくて地形、というのが他に無いし、
そこも含めてなんだか戦争っぽくないですか。砲撃に近いよねアレ。
 地形やら風やらから目標地点を見定めて発射。
 着弾地点は占領できたってことで、次はそこに陣地を移す。
 それを繰り返して、決められた最終目標地点へのピンポイント着弾を目指す
と。面白い。

 でもゴルフは、こと日本にあってはそれを取り巻く周辺環境がキライ。
 発祥の地イギリス(スコットランドだっけ?)なら何の問題もないんだ。

   イギリスの海っぺりの広大な荒野・湿地。
   海からの強い風のせいで高い木は育ちにくい。
   ほとんどが背の低い草地。それすら無い剥げた場所もチラホラ。
   そこここに池やちょっとした流れ。

 元々ああいうゴルフコースっぽい地形があって、地盤も弱いし使いようの
無い土地だけどそこで何かできねーかって成立したわけだから。
 「自然と戯れる」のが目的の遊びなわけですわね。

 しかるに現在の日本その他を見ると。
 そういうゴルフコースっぽい場所など望みにくい国土で、豊かな土地を切り
開いてわざわざ不毛の荒地を模した大空間を作り出して、荒地再利用レジャー
に勤しむ。なんだろうこの滑稽さは。

 しかもそこでのプレーぶりも。そうしてわざわざ作り出したフィールドで、
わざわざ作り出した池にボールを打ち込んでは気楽に救済措置の適用を受けて
一打罰で近場にドロップして打ち直し。
 わざわざ作り出した深いラフに打ち込んでは一打罰でドロップ、
 わざわざ作り出した木立に打ち込んでは一打罰でドロップ……

 どうせわざわざ作り出したフィールドならそういう障害地形も、無理なく
リカバリーにチャレンジできる程度のものにデザインすればいいじゃんか。
 そうした上で、気軽に受けられる救済措置など認めないようにすればいい
のだ。
 自然地形ならともかく、ボールが落ちる可能性を前提にした人工池が、落ち
たボールをどうしようもないくらい深いってどういうことだよと。
 わざわざ作った池ならどこに落ちてもボールを認識はできるくらいの深さに
して、 バンカーと同様に脱出できるまで何発でも叩かせればいいじゃんか。
“Play the ball as it lies”(ボールはあるがままに打て)がゴルフの原則
なはずだろう。

 こういう、競技として日和った姿ね。
 これが現在の老境ヤンキーの価値観とがっちり結びついて日本のゴルフ環境
になってるなと。
 それが嘆かわしいなと。
 そういうド温い環境にズッポリ浸かったジジイがしばしば、やれゴルフは
精神力がー集中力がーとか得意げに語ったり、あげくデザインされきった人工
フィールドの中で移動カート等にも頼りまくりのくせに「自然に囲まれた中で
する健康的なレジャーをする健康的な俺たち」みたいなゴミアピールをぶつけ
てきたりするんだよ!
 個人的な恨み節が出ました。

 自然の中でやるってんなら、国ごと土地ごと「その風土の中で」用途の無い
不毛の土地に場所を見つけ出して、ゴルフコースにしてプレーすればいい。
 砂漠の国なら総バンカーのコース。
 ツンドラの国ならボールの止まらない永久凍土コース。
 日本なら広い山林がある。フェアウェイのために伐採なんかしてないで、
人里離れた山間部にでもグリーンだけ作って、生い茂る木々を向こうに回して
闘えばいいじゃん。
 池やバンカー掘ったりするより遥かに難儀で攻略しがいのある相手だ。
 ボール発見の困難? 遭難の危険? 知らんですよ。自然を相手取る遊びだ
というならそのくらい織り込んどけ。登山者やロッククライマーや山スキー
ヤーやらはしっかり危険を飲み込んでやってるでしょうが。
 国ごとにその風土を感じて、まさに自然を満喫できるユニークでスペシャル
な球技になるぞ。
 スバラシイね!
 これこそ元のゴルフの精神にふさわしくはないか。
 そういうゴルフだったら競技者を心底尊敬するしぜひ観戦したい。
 そして日本の老境ヤンキープレーヤーどもは早晩淘汰されて欲しい。

 
 

ベースボール編その4

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球技ルールで遊ぼう・第7回

 
 

◆投手持ち回り制・具体例を考えてみる

 さて、ここまでのような考えのもと妄想してみる投手持ち回り制。
 具体的に「試考」してみますと。

 
 ふつうにパッと考えると、守備ポジションが9あって試合が9イニングなの
だから(軟式の少年野球や草野球は7回標準のようですが)、野手が1イニン
グごとに交代で投手を担当すればいい気がしますが。

 でもそれをそのままやると、チーム内にきっと1人はいるであろう、比較的
力の劣る投手(打撃力やフィールディングを買って起用されてる選手ですとか)
が相手打線に捕まった時などに、連打を浴びるままいつまでもイニングが終わ
らない……みたいになっちゃう可能性がありますね。
 そうするとその投手だけいつまでも投げ続けるハメになってしまいます。
 投球の疲労を分担するのが目的なのに、それでは本末転倒というもの。

 
 ちなみに野球の前身といわれるクリケットだと、「正規の投球」6球で
「1オーバー」となり、アウトカウントとはまた別で一定のオーバー数に
よってもイニング終了となったりするそうです。
 この「オーバー」というのは野球に無い概念ですが、こんな風にとにかく
投球数にリミットを設ける措置を野球にも導入できちゃうなら、それで目的
に適ったゲームにできる気がします。
 競技としての景色をかなり変貌させちゃう改変でしょうけど。

 

 ●守備時は1イニングごと、投手は出場中の野手と守備位置交代する

 ●同一選手が2イニング以上投手を担当することはできない
  (これに抵触しなければ、ベンチ入り選手との交替がいくら行われても
   問題ない)

 ●イニングごとの投手交代時、他の野手の守備位置を交代させるのも
  通常どおり可能
  (レギュラー捕手が投手をする際、捕手をできる別の野手を2番の
   位置に移動させるなど)

 まずはこれを基本に、投球リミットを設けるルール追加を妄想してみます。

 クリケットルールのまんまに「オーバー」って新概念をポンと足しちゃう
のはかなり競技をややこしくしてしまうので(クリケットの場合は1イニング
でゲームが終わるからこれでオッケーなのでしょう)、「オーバー」ではなく

 ●一定の投球数でイニング終了となる
                   ……とするのが良さそうです。

 このルールを加えるというだけのことで、アウトカウントの規定や3アウト
でのイニング終了といった当たり前の既存ルールはまったく変えなくて大丈夫
です。

 またこの場合の投球数は、ストライクコースでも外れてボールでも同様に
カウントされるべきです。ファール打になった投球も。

 その上で、イニング終了となる投球数はいくつくらいが適当でしょうか?

 
 仮に[20]だとどうでしょう。

 
 攻撃側は、各打者が最大限フルカウントまでねばったとしても、1イニング
に3人の打者を送り込んでちょいとお釣りが来る球数です。
 そう悪い数ではないのでは。
「ピッチャーにより多く球数放らせて消耗を誘う」なんてセコいこと考えずに
テンポ良くバットを振っていけば、連打でそれなりにまとまった得点を奪う
ことだってできるはずです。

 1人の打者がファールでねばり続けると?
 それで20球ねばると当然、1打者で1イニング終わってしまいます。
 それはどうなの?って思えたりするかもしれませんが、ファールボールって
そもそも意味合い的には「打者の失敗」でもあるのだから、打者にデメリット
の無い現行ルールよりむしろ良くありませんかね?

 逆に守備側から見てこのルールと球数はどうでしょう。
 たとえば、わざと「ストライク入れない/全球ボール」みたいな投球をする
ことで、失点数を確実に一定にコントロールすることができてしまいますが。
 ボールだけ放ると、20球でフォアボール×5。
 押し出しで確実に2失点する計算ですが、逆にいえば3失点以上することは
決してありません。

 この失点数なら、登板するイニング担当投手の能力によっては、あえてこの
「全球ボール」をやって失点を受け入れることもひとつの選択肢、と言えそう
な気がしますがどうでしょう。
 なんにせよ、この想定失点数がバランス的に良いか悪いかで投球数のバラン
ス調整を適宜行っていけばよさそうな。囲碁のコミ変遷のように。

 
 とりあえず、9人でそれぞれ最大20投球ずつ。
 まあ体力的にもムリがなくていいんじゃないでしょか。

 というわけで、投手の負担を全員で分担する案でした。

 
 これを導入すると、ひとりの投手力で勝つのは難しいゲームになります。
 同時に投手のスター選手が生まれにくくなるかも。
(でもどうせプロレベルになれば細かく分業してるんだから別にいいじゃん、
 て気もしてます。クローザーのスター、みたいなのはすでにいるのだし)
 「猛打の上位打線」ならぬ「抑えの下位継投」みたいな新概念がたくさん
生まれるかもしれませんよ。
 また固め打ちでの大量得点がやや発生しにくくなるので、「ひとたび劣位に
立つと ゲームが進むほどにその優劣差が拡大されやすくなっていく」という
現在のゲーム構造の是正にもなっていったりしないかなあ。なんて。

 
 野球については他にも、

 競技時間をもっと短くor一定にできないもんなの?……とか、

 野球で言う「試合の流れ」とか「打線のつながり」とか正直よく分かんない
んだけど何なの?……とか、

 「野球は2アウトから」とか通ぶって言うオッサンに遭遇するたび
「なら1アウトでチェンジってルールにしちゃえばいいじゃん。
 なんでそうじゃねーの?」って訊きたくなっちゃうよ……とか、

 いろいろ思ってることはあるので、そのうちまた いじり方を思いついたり
したら、いじって遊びたいと思いますよ。

 
 

ベースボール編その3

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球技ルールで遊ぼう・第6回

 
 

◆さてやっといじり始めます

 野球ルールをいじって遊ぼうということで前回、前々回と「こういう部分
を楽しみたくて生まれた球技です」という競技成立からのそもそも論から
「所期の楽しみを得るためには、現状よりもむしろこうした方がよくね?」
という感じでの いじりどころを探っていこうと考えてみたのですが。
 どうやらそれは難しいということが、前回までのウダウダで分かって挫折
しました。

 こんなことを考えてしまったのがそもそも、私がそれだけ野球という競技に
ナゾを多く感じてるからなのでしょう。
「なぜこんな奇妙な競技が成立してるのか?」というところが腑に落ちてない
のだと思います正直。

 だからもう意義ありげな感じとかカッコつけを追うのはやめて、素朴に
競技の現在の姿から、「ここっておかしくね?」と感じる部分を取り上げて
いじって遊んでみたいと思います。

 野球という競技を「奇妙ナリ」と感じる部分は個人的にたくさんあるので、
そういう部分をひとつひとつ取り上げていじっていけば、私がこの競技に感じる
歪さをなんとかできる方法(スポーツとして現実的かはともかく)を見い出せ
たり、姿を変えた別のゲームがぼんやり立ち表われてきたり、または「ああ、
こういう理由で現行ルールになっているのか」と改めて納得できたりと、
まぁいろいろするでしょう。

 
 

◆投手/野手の負担格差って減らせないのか

 さて好きにいじろうとなると、いじりどころとしてまず気になるのは、やはり
特殊な位置づけの選手ポジションです。
 最初のサッカー回で「ゴールキーパーって不要にできないの?」とか考えて
みたりしましたが、変則的な役割を負う例外的な選手の存在は、どうしても気に
なってしまうのです。

 
 野球においてなんといっても気になるのは……そう、投手=ピッチャーです。

(キャッチャーもそうですけど。テニスじゃあるまいし、フェアグラウンドの
 外が基本位置の選手がいるだなんて!)

 
 攻撃側は順番どおりに打席に立つ機会が巡ってくるので、各選手に課される
負担はまぁ公平といっていいでしょう(試合通じての打席数の違いや走者として
の負担差は出ますが、それは誰にも起こりえる確率の問題であって、試合が終
わってからの結果論に過ぎません)。

 しかし守備側は。
 プレー機会の限られる野手たちに比して、投球をし続ける投手の負担の、
なんと大きいことか。
 いや野手が待ってる時もアタマは使うし疲れるのは分かるんですけど。
 それにしても投手だけタイヘン過ぎだろうと。
 同じスポーツしてるとは思えません。

 
 このように投手の負担は飛びぬけて大きいし、疲労も激しい。
 では現在これをどうしているかというと、
プロなんかでは投手だけ疲労回復のために出場間隔を大きく空けたり、
そのために多数の先発投手をキープしてローテーションさせたり、
試合中の交代つまり継投で出場量をコントロールしてたり……と、
投手の特殊性・専門性を『むしろ 更に高めちゃう』ことで、つまり投手と
野手とを「より別ゲーに」することで対応してます。

 範たるトップレベルで こんな屋上屋を作るようなやり方をして、
単一ゲームの内部にわざわざ乖離を作って、わざわざそれを拡げて、それで
「ひとつのスポーツをやってる」と言うのも妙な話ではありませんか。

 こんな投手・野手間の「別ゲー」っぷりを緩和して、投手に偏る負担を
より平等に近づけることはできないもんでしょうか。

 ……と、これをちょっと考えてみましょう。無責任に。

 
 

◆投手の負担もみんなでかぶればいいじゃん

 投手に偏る負担をより平等に近づけたい場合。

 すっごく単純に思い浮かぶ方法といったら、投手もメンバー内で持ち回り制
にしちゃうことでしょう。
 打順と同じに、順繰りで回しちまえばいいじゃんと。
 どうでしょうこれ。
(これって実は、前身のクリケットにちょっと近づく考え方なんです)

 野手全員が交代で投手を担当するようルール化して、疲れる投手負担を
野手みんなに分配して均質化・公平化を図るのです。

 これを実現すると、調子や余力に関係なく投手の交代が強制される形になる
ので、たとえばチームにすごい投手が1人いて気力体力充実、完投できる余力
があっても 必ずある程度で降板しなきゃならない。逆に打撃は得意だけど
投球はちょっと、という選手がいたら、その打撃力をチームに活かしたければ
どこかで登板もさせなきゃならない。
 ……と、試合事情がこれまでとは随分違ったものになってきます。

 打順ならぬ投手の「登板順」の組み方とか、投手それぞれに担わせる試合上
の役割とか、翻りそれを受けての攻撃側の打順の工夫とか、緻密な戦術を組み
立てる余地が増えますよ。
 野球ファンってそういうのがお好きなのでは?

 
 専門化が進んだ投手の能力の高さとか、それに対抗する打者の力とか、
高度化した現在の野球では不向きな選手に投手をやらせるなんてムリ、言語
道断だ。と思われるかもしれませんが、プロでも大谷翔平という例も現れてる
じゃないですか。
 アマチュアレベルなら尚更で、少年野球などでは、とにかく一番センスの
良い子が打撃で活躍しつつ同時に投手もやることになり、結果としてあちこち
のチームに「エースで四番」がいたりする。
 で、年齢が上がってより高いレベルでプレーする環境に進むと、強豪チーム
なんかではそんな「エースで四番」だった子だらけだったりする。
 イチローももともと投手でプロ入りしましたし、清原だって甲子園でちょっ
と登板したりしてますし。
 トッププロレベルに向けては、そういう万能性の高い選手をこそ貴ぶように
育成の舵を切るだけの話です。

 プロレベルでだけ、投手の専門化・分業を先鋭化しないと競技水準を維持
できないというなら むしろそれこそが歪な話で、是正できるもんならした方が
いいのではないでしょうか。

 それで投手力と打撃力のバランスがおかしくなっちゃうなら、いざとなれば
またボールとかバットとか道具をいじる形でパフォーマンスに制限を加えて
ルールに適応させればいいじゃん。
 すでにやってることなんですから。

 てことでまた長くなっちゃったので、次回に具体例です。
(また終わらずに引いてしまった)

 
 

ベースボール編その2

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球技ルールで遊ぼう・第5回

 
 

◆野球はどういじるのがいいのだろう

 野球をいじって遊んでみようと考えて、まず野球ってなにが面白くて出来上
がった球技なの、と軽ーく調べてみたところ、そもそもは「バットでカッ飛ば
すのが気持ちいい」から始まった競技であったらしい、と。

 それなら、飛距離が伸びれば伸びるほど、たくさん飛ばせば飛ばすほど、
気持ちいいわけで、「飛ばせば飛ばしただけイイコトがある(得点とか)」
という方向性の競技としてルールや環境が発展すればいい。
 誕生当初(原初の原初ね)はきっとそんなコンセプトだったんじゃないかな
と思えます。

 でもひとたび「ここより先に飛んだらホームランね」と「結果の上限」を決
め、その内側を守備する人数や配置を決めてしまったら「飛ばす気持ちよさ」
はそのMAXを動かせなくなってしまい、以後 競技の楽しさをより高めていくため
には「競技という枠」の中でより緻密になっていく方向に行くしかなくなって、
紆余曲折を経ての現在……という感じなのでしょうか。勝手な想像ですが。

 
 今やその「競技という枠」の中に競技全体を収めるために、より飛ぶバット
やボールが出現しても逆に使用を制限されることがあったりして、「飛ばして
楽しい」を「打ちたい側 vs 打たせたくない側」の対戦形式に持っていって
しまった競技ならではの、ゲームを成立させるためのジレンマが仄見えます。
 野球にいろいろ細かくくっついてる付帯的なややこしいルールの数々も、多
くはこうしたジレンマの中から発したものなんだろうな、という気がします。
「こんな場合はどうすれば?」「じゃあこんな場合は?」というルールの隙間
がどんどん浮かび上がって、それを埋めるための付帯的ルールが次々必要に
なって、いわばルールのためのルールを重ねていって現在、という。

 ゲームを作る身として「煩雑に過ぎません? スッキリさせりゃいいのに」
とは思うことありますけど。
 でもこれをスッキリさせるのは、ルールの端っこをちょいといじって実現
するのは およそムリっぽい感じですよね。
 きっといじるうちにゲームが根本から変わって、およそ野球じゃなくなっ
ちゃうでしょうきっと。
 まあ新競技を考えて遊ぶのはそれはそれで面白いかもしれませんが。

 
 だから、野球をあくまで野球として ここでいじって遊ぼうと思ったら、
根本的に抱えてるジレンマはもう「そういうものだ」と受け入れた上で、
ゲームの根幹とは別のポイントに目を付けて いじりどころを見出すしかない
のかなと。そんな気がします。

 ということで、次回からそんな風にいじっていこうと思います。
(……前段に2回も使ってようやく次からか)

 
 

ベースボール編その1

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球技ルールで遊ぼう・第4回

 
 

◆前置きのような/野球って不思議

 いきなりイチャモンつけるみたいになってたら大変すみませんが。
 そんな意図はまったく無いですよ。

 さて思いますに、野球って不思議な球技。
 ルールや設備用具のシンプルさを基準に 球技・ゲームの「洗練度」みたい
なものを測るとすると、野球ってたぶんかなり洗練度の低い部類に入ると
思えるのです。
 ルールがけっこう複雑で多くてわかりにくい。
 安くはない用具がけっこう要る。
 専用の形状をした広いフィールドが必要。
 そして広い専用フィールドを使いつつ、試合で起こることの大半は
《 投手 ~(打者)~ 捕手 》間の領域だけで、いやもっと
いってしまえばストライクゾーン周辺だけで起こるという空間効率の悪さ。※

   ※野球のゲーム進行はつまるところ、投手が投じるボールの速度と
    回転、ストライクゾーン内外のどこをどう通過するか、それに対し
    バットのヘッドがどこをどう通過するか……で多くが占められると
    言ってしまっていいのではないでしょうか。
    重要さの比重的にも、試合時間の占有率的にも。
    (投手~打者間だけに寄ってとらえる、テレビ中継時の基本的な画面
     のあり方が証明してますよね)

 そんな洗練度の低さ――ルール運用や設備用具面の高いコストを支払っても
なお、それを上回るだけの面白さ、快感興奮が野球にはあるのでしょうか。

 
 私が特に強く感じる野球ルールのわかりにくさ要因は、自然や常識から読み
取るのが難しい部分が多いこと。ルールの必然性が感じにくいというか。

 なぜ3ストライクで1アウトなのか。
 なぜ4ボールでテイク1ベースなのか。
 なぜ3アウトでイニング終了なのか。
 なぜベースの数(一打での最大得点可能数)は4なのか。
 フォースプレーって?
 タッチアップって?
 セットポジションって?

 あとルールじゃなくて記録のあり方についても。
 勝利/敗戦投手の基準はどうしてそうなの?
 サイクルヒットなるもののすごさって正直よくわからない。ビンゴ感覚?
 その他その他。

「自然に任せたらこうなった」というルールよりも、「とにかくこういう事に
しておこう」なルールでゲームが成立してる部分がとても多い気がして。
 もちろんそんな部分はどんな競技にもありますが(とかく「ゲームを終わら
せる」ための部分にそういうものが必要になってくるのは私にもよく分かりま
す)、野球にはとにかくそれが多い気がするのです。
 自然に導き出されてる部分が少ないと、観ながら自然にルールを察して理解
していく、というのがけっこう大変で、分かりにくくありませんか。

 
 

◆野球って何を楽しむための競技?

 私もゲームを作ったりするので、ルールシステム等については普段から考え
ることが多いのですが、ルール主導でオーガナイズしたくなるのは、それに
よって表現したい事柄/体感して欲しい事柄についての部分ですよね。
 積極的に打ち出したいイメージがあるからこそ、それに向けてのルール作り
をすることになる。

 「戦争遂行における、物資の供給とコントロール(の難しさ)を面白く
  体感して欲しい」
 とか、
 「探索の手を広げて新たな場所に出会いつつ、直面する困難を克服していく
  快感を味わって欲しい」
 とか。

 そういう目標に向けてルールで環境をコントロールしていくのは理解できる
し、たぶんプレイヤーもその目標が理解できれば、そのためのルールにも納得
していけると思うのですが。
 では野球の場合、何のために・何の目標に向けてこうなっているのだろう?
 勝敗がつけば実はどうでもいい部分って、実はけっこうあったりしないの?

 野球にどっぷり浸かって育ってきたわけではない身としては、一歩引いて
そんなことが気になってしまったりもするのです。

 
 野球の「そもそも」を追っかけて、「ラウンダース」とか「タウンボール」
とか前身といわれる競技のことを軽ーく調べてみると、どうやら とにかく
「棒切れでボールを打つ」ことが快感で、そのへんに起源があるようです。
まあそうじゃないかなとは思ってましたが。最初期の投手は「打者に打ちやす
い球を提供する」だけの役割だったみたいですし。

 「棒を使う」というところがいい感じの飛距離と適度な難易度も生み出して
(手も痛くならないし)、うまく飛ばせると気持ちいい。

 『打って飛ばすのが楽しい』。

 これが野球の原初的な楽しみだと。
 飛距離も含めてそのへんこそが価値の中心なのだといわれると、砲丸投げの
フィールドのような形でいて あんなにもだだっ広い球場が必要になってしまう
のも、理解はできます。
(ちなみに「ベースが4つ」というのはかなり初期からそうだったようです。
 単に正方形なことが収まりが良かったのでしょうか)

 
 打って飛ばして楽しむ競技が野球だぜ、となると。
 打つこと関係以外のルールはすべて「対戦形式にしつつどっかでいい感じに
ゲームを終わらせる」ためにだけ存在する、と言ってしまっていいですよね、
基本的には。

 ――それにしてはなんだか、「打って楽しい」以外の部分にくっついてる
ルールがいささか膨大すぎやしませんかね、今観られる野球って。

「こんな場合はどうすれば?」「じゃあこんな場合は?」というルールの隙間が
どんどん浮かび上がって、それを埋めるための付帯的ルールが次々必要に
なった結果、こういう風になったものなのか。
 もちろん、付加された結果 面白味を増す効果を出してるルールもいろいろ
あるでしょうけど、なんだかルールのためのルールを重ねて成り立ってる部分が
多いような。
 もうちょっとシンプルさを保つ感じにまとめることはできなかったものなの
でしょうか。

 どうしてこのようになったのか? という詳しい経緯や歴史を追い求めることは
ここではしません。
 こんな取りとめもない話をここまで長々としたのはもちろん、かように複雑な
野球なるゲームを無責任にいじって遊ぶためです。

 
 
 てことで無責任にいじって遊びたいのですが、ここまでの前段の話だけで
けっこう長くなってしまいましたので、一旦、ひとまず、ここで切っておきま
しょう。
 本ネタ部分が何も始まってないのに次に引いてしまって「なんなんだよ」感が
実に強いですが、逆にこうすることで次回からの本ネタ部分は 今回を読み飛
ばしても問題なく読んでいただける形になるんじゃないかなーということで、
えーとつまり今回のウダウダ語りはひょっとして丸々ムダ? いやいやそんな
はずは……

 
 

バスケットボール編その2

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球技ルールで遊ぼう・第3回

 
 

◆前回のおさらい

 選手の「高さ」=身長の要素がすごく大きいバスケットボール。
 ゲームの構造として、チームが強くなるには必然的に、低身長選手を切り
捨ててメンバーの高身長化を進めることが有利になるようになってる。
 これって寂しくねぇ?ってことで、低身長選手にも十分な競技性を付与する
方向にルールや環境をいじるとしたらどんな感じがありそうか考えてみよう、
というのが今回のお話。
(現実的な提言になるように、とかは特に考えてませんが)

「出場メンバーの平均身長が変化するごとに それに合わせて、攻撃するゴール
の高さを変化するようにしたら?」というのを考えてみたのが前回でしたが、
選手の身長格差をやわらげる方向にゴールをいじる方法はもう一つあると思っ
てます。

 ということでコレ。

 ↓

 

◆ゴールをいじって戦術性を変えてみよう・2

 前回の「1」よりこっちの方が話がカンタンです。

 『BUZZER BEATER』って漫画をご存知でしょうか。
 おなじみ『SLAM DUNK』の井上雄彦氏が描いたバスケットボール漫画で、
外宇宙の宇宙人たちにまで拡がったバスケットボールブームの中、その発祥地
である地球勢は一転バスケ後進国になっていた……というところから始まり、
復権を目指す地球人チームが結成されて宇宙人チームと戦っていくストーリー
なのですが。

 この『BUZZER BEATER』、地球人チームのメンバーとして、チャチェという
15歳の少女が加わります。小柄で細身で非力、およそ選手としては不利しか
ないような彼女。それがなぜ、屈強の異星人たちに挑むチームに加わることが
できたのか?
 ここにひとつのオモシロがあって、この世界のバスケットボールには現実
の競技と異なるルールが加えられているのですが、その最たるものとして
「特別ゴール」というものがあるのです。
 通常の倍の高さにもうひとつ、特別なゴールが設置されていて、そこへの
シュートに成功すると一挙に10得点!という驚異の追加ルール。
 チャチェはこの「10点シュート」に特別の才があって、チームの得点力と
して迎えられたわけです。

ファイル 117-2.jpg

 これ、漫画としては「10点ゴールってなんだよそれ(笑)」という突っ込み
笑いポイントっぽい側面もあるのですが。
 でも問答無用で身長格差の是正になるアイデアです。
 多少デカいのなんだのが関係ないくらいに「めっちゃ高い」のなら。

 問題としては前回の「1」と同じく、新しいゴール設備を作らなきゃなら
ない環境とコストの厄介さがありますね。
当然これも「一定レベル以上の公式競技のみ」てことになっちゃうでしょう
けど、それにしても「通常の倍の高さ」って、設置できる体育館設備がどれ
ほどあるものか。「天井たっか!」ていうくらいの所でないと。

 
 

◆まとめ

 つまるところ。
「高さ」で難易度を作り出してる球技で、選手の身長による競技能力格差が
大きすぎる場合、ルール改変で対応するには2通りの方法が考えられると。

 格差要因の「高さ」位置(バスケットボールの場合はゴール位置の高さ)
を、ゲーム参加者から平均をとるか、選手の身長差などぜんぜん問題になら
ないくらい高い位置に再設定するか。

 思えば、現在のバスケットゴール位置も、そもそも元を辿れば「フツーに
考えて誰の手も届かない場所」として設定されたんじゃないかな、と思え
ます(アリウープを是とするルール解釈とかが後付けな感じなのも、それを
窺わせます)。
 そうだったものが「過剰にデカい人間を探して集めてくる」という行為で
克服されてしまったと。
 ならば、元の意図に従って設備側を改めればよいのでは。
 超巨漢の手が届かない高さになっても、放られるボールはものともしない
でしょう。

 
 余談。
 同じように「高さ」で難易度を作り出してる球技に、バレーボールやその
類似競技があります。が、こちらはバスケットゴールと違って 高さ要因たる
ネットを両チームで共有するので、今回と同じような形での身長格差是正は
ちょっとムリですね。
 別の方法が要るでしょうが、これは難しい。

 
 

バスケットボール編

ファイル 116-1.jpg

 

球技ルールで遊ぼう・第2回

 
 

◆「デカいやつがエラい」という構図をいじって遊ぶ

 球技というゲームのルールを、素人目から「こうしたほうが公平じゃね?」
「今時に合わせるなら、ここをこう変えたほうがもっと良くね?」みたいな
感じでいろんな方向からいじって遊ぼうというこのコーナー。
 今回いじらせていただくのはバスケットボールです。

 バスケットボールというと、『SLAM DUNK』に憧れたりしてウキウキ始めた
少年少女が競技に真剣に打ち込むほどに、とかくその心をボッキリ折りがちな
のが、いずれ立ちふさがる身長問題だったりしますね。
 サイズ面で伸び悩むだけで、競技そのものが、選手としての限界を残酷に
突きつけてくるという。

 バスケットボールってぇゲームは、
   ●高い位置のリングにゴールする得点方式
   ●選手間の接近・接触の激しい中でボールを手で扱うプレー内容
…によって、競技の難度を生み出す要因(≒打ち克つ楽しみを得られる要素)
が選手の身長に依拠してる部分が多くなっています。
 身長の高さは腕の長さにも直結して、これはボールを持ったプレーだけじゃ
なくて守備力にも影響すること大なわけです。

 となると、チームの競技力をアップしようと思えば自然、構成メンバーの
高身長化を進めなければならなくなります。
 より高いレベルでプレーしたい、勝ちたい、と どんなに願っても、身長の
低い選手はどこかで挫折を強いられる。
 ゲームとしての構造的にそうなってる。

 
 NBAでは、選手の約10%が身長7フィート(約213cm)以上といいます。
 聞けば 身長7フィート以上ある20~40歳の全アメリカ人男性のうち17%、
つまり6人に1人はNBA選手になっているのだそうで。
 公式ルールによるゴールの高さは10フィート(約304.8cm)。
 身長7フィートある人物が腕を上げてボールを持つと、ボール2~3個ぶん
だけ投げ上げればゴールに届いてしまいます。
 これほどに身長は決定的な要件になっている。

 ということで今回はそのへんを、ルールや競技環境をちょっといじってみる
ことで何とかする方法を考えて遊んでみましょう。
 現実的な提言になるように、とかは特に考えてませんよ。

 
 

◆ゴールをいじって戦術性を変えてみよう・1

 たとえば、こんなことできるとしたらどうでしょう。
 一律10フィートで固定されているゴール位置を可変式(!)にして、試合の
中で高さを適宜変化させる。

 これはべつにテレビのアトラクション系バラエティ番組やテレビゲームみたい
にゴールを終始ウィーンウィーンて上下させてようとかそういう楽しげになっ
ちゃうやつじゃなくて。

「出場メンバーの平均身長」を基準として、
   それに合わせてゴール位置を変化させる ――のです。

 メンバーをある程度以上 高身長選手で固めると、リング位置が現在以上に
高くなる。
 低身長の選手が入ってメンバーの平均身長が下がるほどに、それに合わせて
リング位置も下がる。低身長メンバーが多ければ、現在よりさらに低い位置ま
でリングが移動して、攻撃を楽にしてくれる、と。

 
ファイル 116-2.jpg

 
 こんな風になると、あえて低身長の選手を入れるメリットも発生して、
身長に関係無く どんな選手にも活きる道がある、てゆー感じにならないもん
だろうか?
 低身長~高身長の選手の組み合わせバランスで戦術の妙が生まれたりもした
りなんかして?

 
 

◆実際にやろうと思うと問題点は?

 こんなことをやった場合に想像できる問題としては、まずゴールに新しい
設備が要りますね。だから当然「一定レベル以上の公式競技のみ」てことに
なっちゃうでしょうけど。
 高身長化が顕著になるくらいレベル高めの場でだけ導入できればいいので、
これについては まぁべつにそれでいいんじゃないかな?的な。

 あと、選手交替のスピーディさは損なわれますね確実に。人が替わって平均
身長が変化するごと、いちいちゴール位置を再計算~変更しなきゃいけないか
ら。これはかなり問題でしょうかね。

 ついでに選手の心情面として、低身長の選手がそのことにコンプレックスが
ある場合、こういうシステムはむしろ屈辱的でイヤだったりすることもあった
りするでしょうか?

 
 そういう周辺的なことを仮に乗り越えたとして、では実際のプレー面での
問題はないでしょうか。
 ルール妄想遊びとしては、こっちの方がむしろ大事なところです。

 
 パッと思い浮かぶところでは、

 「低いリングは、高身長な相手の守備を楽にしちゃうのでは?」

 ……という疑問はあります。
 低身長の選手を入れてリング位置を下げれば、シュートそのものはより簡単
になります。でもそれは相手の存在を考慮に入れない話で。仮に相手チームが
高身長の選手をズラリと並べて、そのでかい体躯と長い腕でもってゴールを塞ぐ
壁になるような守備をしてきたら。
 低いリング位置はかえって相手が守りやすくなっちゃうかも。
 なんだか低いゴールにいくらシュートしても、高い位置からバンバン叩き
落とされちゃいそうな気もしてきます。

 これについては……そうですねえ、「ゴール・テンディング」のルールもある
し、そのままでも なんとかなりませんかね?

*ゴール・テンディング
 バスケットボールでは、放たれたシュートが最高到達点に達する前に
 ブロックするのはOK。
 ただし最高到達点を過ぎてから(要するに落下中に)リングより高い位置
 でリングの輪っかの延長線上にあるボールに触るとゴール・テンディン
 グとなり、ゴールが認められる。

 さらに、NBAの守備ルールに準じるようにするとさらに良さそうです。
 北米の男子プロバスケットボールリーグ・NBAでは、
「ゾーンディフェンス禁止。守備はマンマークディフェンスのみ」
というルールがあります。これはコート各所で1対1の勝負を観られるよう
娯楽性重視で特別に定められたものなのですが、これを共通ルールとする
ことが、上記問題の解決に寄与してくれそうな気がします。
 攻撃側の動き次第で、守備側はゴール前を離れざるをえなくなるわけです
から。

 
 
 ――ということで、この可変ゴールが実現すれば、バスケットボールに
宿命的に付きまとう選手身長の格差をいくらかは軽減できますよ。
荒唐無稽なことはさて置き(置くのか)。

 長くなっちゃったので一旦ここまでとしまして、お話は次回に続きます。

 
 
 

主旨説明を兼ねてのサッカー編

ファイル 113-1.jpg

球技ルールで遊ぼう・第1回

 

◆はじめに

 えー、世に球技というものは数ありまして。
 当然、球技というゲームもそれぞれ いくつものルールと構成物(人間含む)
の集まりでできています。
 どの球技ルールも、けっこう多くの人の手でけっこう多くの年月を経てけっ
こう練り上げられたものでけっこうな完成度に至ってるものだとけっこう思う
のですが、そこはそれ、用具の技術的発達とか、プレーする人間の身体能力の
アップとか、ルールを巧みに駆使する戦術の高度化とか、そうしたもろもろな
構成要素の進歩・変化によって 時にルールの規定する限界が打ち破られ、
また時には社会的・経済的都合から改変を要求されたりして、そのたびにルー
ルもパッチを当てたり変更を余儀なくされたり、常に揺らいで定まり切らない
ものでもあります。はい。

 そんな揺らぎが常に生じている球技ルールの隙間には、素人目に「この部分、
なんでこうなってんの?」と疑問を感じたりとか、「今時なら、こうすると
もっと良くね?」とか言える余地もけっこういろいろありそうです。
 ゲームについてアレコレ考えるのが好きなワタクシにとっては、そういうの
もけっこう楽しいフィールドになりそうな気がします。

 そんなわけで、たまに気が向くに任せて もろもろの球技ルールをいろんな
方向からいじって遊んでみよう、というのが本稿の主旨です。
 内容は現実的でなくてもべつにいいんです。面白ければ。
 あえて曲がった方向へ行ったり、大げさになったりしても、それは いじる
こと自体を楽しむのが目的だからなので、そのへんご理解いただけましたら
幸いです。

 
 

◆ゴールキーパーのいないサッカーを妄想して遊んでみる

 ハイ、そんなわけでの第1回ですが。
 「やりたいのは、こういうようなことなのです」ていう主旨説明を兼ねた
小手調べとしまして、まずは私が好き(もっぱら観戦派ですが)でボードゲー
ムを作ったりもしてるサッカーからいじってみたいと思います。
 ルールをいじる、というテーマですし 名称も正確を期して「フットボール」
とか「アソシエーション フットボール」とか言いたいところでもありますが、
通りの悪い呼びかたでかえって話を通じにくくしてもな、ということでフツー
にサッカーと称していくことにします。よろしくお願いします。

 私がサッカーを特に好きな理由はいろいろですが、フィールド枠とゴールの
規定以外はかなり自由なところ、というのがまずあります。
 フィールド内のどこを使ってどんなプロセスで攻撃/守備しても構わない。
そういう自由を制限するルールがかなり少なく作られてる(フィールドの広さ
もその自由さに寄与してるでしょう)。
 自由な部分が大きいことで戦術の幅が広く、それでいて選手個々の判断が重
要だったりで、選手の技術以外にも見どころ・見方がいっぱい。楽しい。

 さてそんな中で、それでも自由に規制を加える特殊要素はいくつか存在し
ます。
 大きいところでは「オフサイドルール」、「ゴールキーパーの存在」といっ
たあたりでしょうか(ついでに「セットプレー」がいわゆる「別ゲーム」に
なっちゃうことも?)。
 当然どれも どうしても必要だから在るわけですが。
 承知の上であえて、よりシンプルで縛りの少ないゲームを目指して、どれか
を上手に取り除く方法はあるもんでしょうか?

 「オフサイド」はひとまず置いといて、ためしに、ゴールキーパー不在でも
成立できるようにすることを考えてみます。ムリヤリに。いたずらに。

 
 

◆サッカーからゴールキーパーを除くとしたら?

 フィールドを動く選手たちの中で唯一(試合にあっては唯"二"というべきか)
異彩を放つゴールキーパー。
 そんな特殊な存在・ゴールキーパーを、申し訳ないけどピッチから排除して
スッキリさせてみる妄想。

 そのためにまず、ゴールの枠を現在(内側7.32m×2.44m)より小さくする
ことで「手を使える選手いなくてもなんとか守れるんじゃねーの」という感じ
にならないか。
 小さくすればそれでいいのか?
 フットサルのゴールサイズでもキーパー(ゴレイロ)を置いてるのに?
 いいサイズを見出すのがまず課題だろうなー
 そしてそうすると、守備時にゴール前に選手をフットサル並にギュウギュウ
集めて守るのが常道になることも考えられます。せっかくフィールドの広い
サッカーでそれでは白けるでしょうね。

 これを避けるには? うーむ……

 ……いっそ、小さくした新ゴールを複数置いてしまえばどうだろうか!?
 守るにも的が絞れず、選手のダンゴ状態など作ってられますまい。

 で。ついでに。

 せっかくゴールを複数置くなら、いっそゴールごとで得点に差をもうけたら
どうだろうか!?
 たとえばゴールは3つ。
 左右のゴールは1得点、中央ゴールなら2得点。

 
ファイル 113-2.jpg

 試合の緊張感が増して、「サッカーは1得点ずつで逆転とか無いからつまん
ねーよな」とかしたり顔で言う野郎を黙らせることもできるぞ。

 
 

◆ペナルティエリアは?

 なんかグルグル目になってきた感じでサッカー破壊を妄想してますが。
 さてこんな風にゴールキーパーという存在を排除したとして。ではその上で
「ペナルティエリア」というモノはまだ要るもんでしょうか? 不要になるの
ならゲームはよりスッキリして、本稿の主旨としては結構なことですが。

 「ゴールキーパーが手を使える範囲」としてのペナルティエリアは不要に
なるでしょうけど、「ファウルが発生したらペナルティキック」を判断する
ためのペナルティエリアとしては?

  ペナルティキック=PKってば実際得点の大チャンスで、ファウルを
 受けた側=PKキッカー側だけにトクなよう整えられたルールに見える
 こともあるかもしれませんけど、実際はそんなことないですよね。
  たとえゴール前5cmで起こったファウルでも、通常の「ファウル発生
 位置から再開」っていうルールと違って、一定距離の特定位置(ペナル
 ティスポット)からのキックになるし。
  キーパー以外の守備側選手がエリア外に出されてしまうけど、同じ様
 に攻撃側選手もキッカー以外はエリアから排除されるし。
  もちろん「ゴールキーパーという例外的存在」をここでもうまく活かす
 ことで「限定的な守備力」を与えられてもいるし。
  まぁつまり、適度に失敗可能性も担保された形になってはいる。

 ……考えるに、ゴール付近でのファウル処理のためには、やっぱり何らかの
形でペナルティエリア的なものが必要な気はします。ゴール前で守備側の犯す
ファウルが通常のフリーキックで処理されるのは、攻撃側に有利すぎる。
 といって今回の仮定ではゴールキーパーを不在にしたぶん、現在のPKと
同じことはできない。

 ならばいっそ、ハンドボールの「ゴールエリア」みたいに「ゴールから一定
距離」範囲を区切って、「攻撃側はこの中に進入禁止。入ったら反則」とした
らどうか?(守備側は無制限に入れるとする。そこはハンドボールとの違い)

 
ファイル 113-3.jpg

 こうすれば、このエリアより内側ではファウルは発生しない理屈。
 なので、普通のフリーキックのルールですべてを処理できるはず。
 あとはゴールエリアの広さ(ゴールからの距離)調整の問題にすれば。
 (……コーナーキックがやたらゴール狙いやすくなったなコレ)

  ついでに。
  この「新・ゴールエリア」=「攻撃側進入禁止なエリア」があるなら
 「オフサイド」もいっしょに不要にできなもんでしょうか?
  サッカー理解においていちばんややこしい部分なので、うまいこと
 無くせたらそりゃすごいけど。

 ……でも「新・ゴールエリア」があっても、どのみちエリア際ギリギリ
 のところで待ち伏せは発生しますね。
  結果、常に前後に幅広く選手を置かなきゃならない間延びした状態に
 なり、自由度がかえって低下すると。
  現行ルールで「オフサイド」を外しただけの状態と、大して変わら
 ないのでしょう。
 「可変式の攻撃側進入禁止エリア」を作る「オフサイド」のルールは、
 やっぱり優れたものなんですねー。

 
 

◆いじってはみたけれど

 ……と、つらつらと好き勝手考えてるうちに、ゴールキーパーという特殊
要素とPKという特別ルールの存在をスッキリさせて、ついでに逆転スリル
もあるサッカーが出来上がったぞ。スバラシイ。

 ゴールキーパーがいない分、フィールドプレーヤーを11人にするのか、
10人のままでいくのかは、まあフィールドの広さから考慮して好きにすれ
ばいいんじゃないかな。

 これで試合を面白くするには、ゴール間の距離とか、すごく重要そうでは
ありますね。
 そして攻撃時に どのゴールをどう狙うかで、サイド攻撃の考えかたは根本
的に変わるかも。サイドを突いたところで、いかに中央にボールを入れるか
を考えるばかりでなく、そのまま直近の別ゴールを狙う選択肢も増えるわけ
ですから。
 点差によって考えかたもいろいろ変わってくるから、そのへん観戦の醍醐味
にもなってきそう。

 対して守備側としては、ボールのあるサイドに守備陣全体が寄るような動き
がダメになるかも。小さくなった各ゴール枠の前に選手をぎっちり並べて塞ぐ
守りかたが有効だとマズいけど、そこはゴール枠と新ゴールエリアのサイズの
調整で解決する問題でしょうか。

 審判としてはゴールが増えるぶん、微妙なゴールインの判定が大変。
 (ついでに「新・ゴールエリア」進入のジャッジも大変そう)

 
 ……でもこれなんか、手を使える/使えないとか関係ナシに、

 「各ゴール前に最低1人ずつ守備要員を常駐させとくのが常道」

みたいになっていきそうな気もするな。
 それだとけっきょく、自由なフィールドプレーヤーを前よりさらに減少させ
ちゃうだけ、ということに。

 ……じゃあだめかこれ。あははーだ。
 やっぱり「ゴール1つでゴールキーパーあり」の方がスッキリしそう。
 ゴールキーパーってすばらしいですね!

 
 けっきょくやらないほうがいいよね ってお話を垂れ流して第1回は終了。
 たぶん今後もこんな感じです。

 
 
 

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