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バスケットボール編

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球技ルールで遊ぼう・第2回

 
 

◆「デカいやつがエラい」という構図をいじって遊ぶ

 球技というゲームのルールを、素人目から「こうしたほうが公平じゃね?」
「今時に合わせるなら、ここをこう変えたほうがもっと良くね?」みたいな
感じでいろんな方向からいじって遊ぼうというこのコーナー。
 今回いじらせていただくのはバスケットボールです。

 バスケットボールというと、『SLAM DUNK』に憧れたりしてウキウキ始めた
少年少女が競技に真剣に打ち込むほどに、とかくその心をボッキリ折りがちな
のが、いずれ立ちふさがる身長問題だったりしますね。
 サイズ面で伸び悩むだけで、競技そのものが、選手としての限界を残酷に
突きつけてくるという。

 バスケットボールってぇゲームは、
   ●高い位置のリングにゴールする得点方式
   ●選手間の接近・接触の激しい中でボールを手で扱うプレー内容
…によって、競技の難度を生み出す要因(≒打ち克つ楽しみを得られる要素)
が選手の身長に依拠してる部分が多くなっています。
 身長の高さは腕の長さにも直結して、これはボールを持ったプレーだけじゃ
なくて守備力にも影響すること大なわけです。

 となると、チームの競技力をアップしようと思えば自然、構成メンバーの
高身長化を進めなければならなくなります。
 より高いレベルでプレーしたい、勝ちたい、と どんなに願っても、身長の
低い選手はどこかで挫折を強いられる。
 ゲームとしての構造的にそうなってる。

 
 NBAでは、選手の約10%が身長7フィート(約213cm)以上といいます。
 聞けば 身長7フィート以上ある20~40歳の全アメリカ人男性のうち17%、
つまり6人に1人はNBA選手になっているのだそうで。
 公式ルールによるゴールの高さは10フィート(約304.8cm)。
 身長7フィートある人物が腕を上げてボールを持つと、ボール2~3個ぶん
だけ投げ上げればゴールに届いてしまいます。
 これほどに身長は決定的な要件になっている。

 ということで今回はそのへんを、ルールや競技環境をちょっといじってみる
ことで何とかする方法を考えて遊んでみましょう。
 現実的な提言になるように、とかは特に考えてませんよ。

 
 

◆ゴールをいじって戦術性を変えてみよう・1

 たとえば、こんなことできるとしたらどうでしょう。
 一律10フィートで固定されているゴール位置を可変式(!)にして、試合の
中で高さを適宜変化させる。

 これはべつにテレビのアトラクション系バラエティ番組やテレビゲームみたい
にゴールを終始ウィーンウィーンて上下させてようとかそういう楽しげになっ
ちゃうやつじゃなくて。

「出場メンバーの平均身長」を基準として、
   それに合わせてゴール位置を変化させる ――のです。

 メンバーをある程度以上 高身長選手で固めると、リング位置が現在以上に
高くなる。
 低身長の選手が入ってメンバーの平均身長が下がるほどに、それに合わせて
リング位置も下がる。低身長メンバーが多ければ、現在よりさらに低い位置ま
でリングが移動して、攻撃を楽にしてくれる、と。

 
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 こんな風になると、あえて低身長の選手を入れるメリットも発生して、
身長に関係無く どんな選手にも活きる道がある、てゆー感じにならないもん
だろうか?
 低身長~高身長の選手の組み合わせバランスで戦術の妙が生まれたりもした
りなんかして?

 
 

◆実際にやろうと思うと問題点は?

 こんなことをやった場合に想像できる問題としては、まずゴールに新しい
設備が要りますね。だから当然「一定レベル以上の公式競技のみ」てことに
なっちゃうでしょうけど。
 高身長化が顕著になるくらいレベル高めの場でだけ導入できればいいので、
これについては まぁべつにそれでいいんじゃないかな?的な。

 あと、選手交替のスピーディさは損なわれますね確実に。人が替わって平均
身長が変化するごと、いちいちゴール位置を再計算~変更しなきゃいけないか
ら。これはかなり問題でしょうかね。

 ついでに選手の心情面として、低身長の選手がそのことにコンプレックスが
ある場合、こういうシステムはむしろ屈辱的でイヤだったりすることもあった
りするでしょうか?

 
 そういう周辺的なことを仮に乗り越えたとして、では実際のプレー面での
問題はないでしょうか。
 ルール妄想遊びとしては、こっちの方がむしろ大事なところです。

 
 パッと思い浮かぶところでは、

 「低いリングは、高身長な相手の守備を楽にしちゃうのでは?」

 ……という疑問はあります。
 低身長の選手を入れてリング位置を下げれば、シュートそのものはより簡単
になります。でもそれは相手の存在を考慮に入れない話で。仮に相手チームが
高身長の選手をズラリと並べて、そのでかい体躯と長い腕でもってゴールを塞ぐ
壁になるような守備をしてきたら。
 低いリング位置はかえって相手が守りやすくなっちゃうかも。
 なんだか低いゴールにいくらシュートしても、高い位置からバンバン叩き
落とされちゃいそうな気もしてきます。

 これについては……そうですねえ、「ゴール・テンディング」のルールもある
し、そのままでも なんとかなりませんかね?

*ゴール・テンディング
 バスケットボールでは、放たれたシュートが最高到達点に達する前に
 ブロックするのはOK。
 ただし最高到達点を過ぎてから(要するに落下中に)リングより高い位置
 でリングの輪っかの延長線上にあるボールに触るとゴール・テンディン
 グとなり、ゴールが認められる。

 さらに、NBAの守備ルールに準じるようにするとさらに良さそうです。
 北米の男子プロバスケットボールリーグ・NBAでは、
「ゾーンディフェンス禁止。守備はマンマークディフェンスのみ」
というルールがあります。これはコート各所で1対1の勝負を観られるよう
娯楽性重視で特別に定められたものなのですが、これを共通ルールとする
ことが、上記問題の解決に寄与してくれそうな気がします。
 攻撃側の動き次第で、守備側はゴール前を離れざるをえなくなるわけです
から。

 
 
 ――ということで、この可変ゴールが実現すれば、バスケットボールに
宿命的に付きまとう選手身長の格差をいくらかは軽減できますよ。
荒唐無稽なことはさて置き(置くのか)。

 長くなっちゃったので一旦ここまでとしまして、お話は次回に続きます。