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ベースボール編その3

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球技ルールで遊ぼう・第6回

 
 

◆さてやっといじり始めます

 野球ルールをいじって遊ぼうということで前回、前々回と「こういう部分
を楽しみたくて生まれた球技です」という競技成立からのそもそも論から
「所期の楽しみを得るためには、現状よりもむしろこうした方がよくね?」
という感じでの いじりどころを探っていこうと考えてみたのですが。
 どうやらそれは難しいということが、前回までのウダウダで分かって挫折
しました。

 こんなことを考えてしまったのがそもそも、私がそれだけ野球という競技に
ナゾを多く感じてるからなのでしょう。
「なぜこんな奇妙な競技が成立してるのか?」というところが腑に落ちてない
のだと思います正直。

 だからもう意義ありげな感じとかカッコつけを追うのはやめて、素朴に
競技の現在の姿から、「ここっておかしくね?」と感じる部分を取り上げて
いじって遊んでみたいと思います。

 野球という競技を「奇妙ナリ」と感じる部分は個人的にたくさんあるので、
そういう部分をひとつひとつ取り上げていじっていけば、私がこの競技に感じる
歪さをなんとかできる方法(スポーツとして現実的かはともかく)を見い出せ
たり、姿を変えた別のゲームがぼんやり立ち表われてきたり、または「ああ、
こういう理由で現行ルールになっているのか」と改めて納得できたりと、
まぁいろいろするでしょう。

 
 

◆投手/野手の負担格差って減らせないのか

 さて好きにいじろうとなると、いじりどころとしてまず気になるのは、やはり
特殊な位置づけの選手ポジションです。
 最初のサッカー回で「ゴールキーパーって不要にできないの?」とか考えて
みたりしましたが、変則的な役割を負う例外的な選手の存在は、どうしても気に
なってしまうのです。

 
 野球においてなんといっても気になるのは……そう、投手=ピッチャーです。

(キャッチャーもそうですけど。テニスじゃあるまいし、フェアグラウンドの
 外が基本位置の選手がいるだなんて!)

 
 攻撃側は順番どおりに打席に立つ機会が巡ってくるので、各選手に課される
負担はまぁ公平といっていいでしょう(試合通じての打席数の違いや走者として
の負担差は出ますが、それは誰にも起こりえる確率の問題であって、試合が終
わってからの結果論に過ぎません)。

 しかし守備側は。
 プレー機会の限られる野手たちに比して、投球をし続ける投手の負担の、
なんと大きいことか。
 いや野手が待ってる時もアタマは使うし疲れるのは分かるんですけど。
 それにしても投手だけタイヘン過ぎだろうと。
 同じスポーツしてるとは思えません。

 
 このように投手の負担は飛びぬけて大きいし、疲労も激しい。
 では現在これをどうしているかというと、
プロなんかでは投手だけ疲労回復のために出場間隔を大きく空けたり、
そのために多数の先発投手をキープしてローテーションさせたり、
試合中の交代つまり継投で出場量をコントロールしてたり……と、
投手の特殊性・専門性を『むしろ 更に高めちゃう』ことで、つまり投手と
野手とを「より別ゲーに」することで対応してます。

 範たるトップレベルで こんな屋上屋を作るようなやり方をして、
単一ゲームの内部にわざわざ乖離を作って、わざわざそれを拡げて、それで
「ひとつのスポーツをやってる」と言うのも妙な話ではありませんか。

 こんな投手・野手間の「別ゲー」っぷりを緩和して、投手に偏る負担を
より平等に近づけることはできないもんでしょうか。

 ……と、これをちょっと考えてみましょう。無責任に。

 
 

◆投手の負担もみんなでかぶればいいじゃん

 投手に偏る負担をより平等に近づけたい場合。

 すっごく単純に思い浮かぶ方法といったら、投手もメンバー内で持ち回り制
にしちゃうことでしょう。
 打順と同じに、順繰りで回しちまえばいいじゃんと。
 どうでしょうこれ。
(これって実は、前身のクリケットにちょっと近づく考え方なんです)

 野手全員が交代で投手を担当するようルール化して、疲れる投手負担を
野手みんなに分配して均質化・公平化を図るのです。

 これを実現すると、調子や余力に関係なく投手の交代が強制される形になる
ので、たとえばチームにすごい投手が1人いて気力体力充実、完投できる余力
があっても 必ずある程度で降板しなきゃならない。逆に打撃は得意だけど
投球はちょっと、という選手がいたら、その打撃力をチームに活かしたければ
どこかで登板もさせなきゃならない。
 ……と、試合事情がこれまでとは随分違ったものになってきます。

 打順ならぬ投手の「登板順」の組み方とか、投手それぞれに担わせる試合上
の役割とか、翻りそれを受けての攻撃側の打順の工夫とか、緻密な戦術を組み
立てる余地が増えますよ。
 野球ファンってそういうのがお好きなのでは?

 
 専門化が進んだ投手の能力の高さとか、それに対抗する打者の力とか、
高度化した現在の野球では不向きな選手に投手をやらせるなんてムリ、言語
道断だ。と思われるかもしれませんが、プロでも大谷翔平という例も現れてる
じゃないですか。
 アマチュアレベルなら尚更で、少年野球などでは、とにかく一番センスの
良い子が打撃で活躍しつつ同時に投手もやることになり、結果としてあちこち
のチームに「エースで四番」がいたりする。
 で、年齢が上がってより高いレベルでプレーする環境に進むと、強豪チーム
なんかではそんな「エースで四番」だった子だらけだったりする。
 イチローももともと投手でプロ入りしましたし、清原だって甲子園でちょっ
と登板したりしてますし。
 トッププロレベルに向けては、そういう万能性の高い選手をこそ貴ぶように
育成の舵を切るだけの話です。

 プロレベルでだけ、投手の専門化・分業を先鋭化しないと競技水準を維持
できないというなら むしろそれこそが歪な話で、是正できるもんならした方が
いいのではないでしょうか。

 それで投手力と打撃力のバランスがおかしくなっちゃうなら、いざとなれば
またボールとかバットとか道具をいじる形でパフォーマンスに制限を加えて
ルールに適応させればいいじゃん。
 すでにやってることなんですから。

 てことでまた長くなっちゃったので、次回に具体例です。
(また終わらずに引いてしまった)