記事一覧

ワールドイメージをつくろう・6

 

 
 構想中のRPG的ゲーム群『妖精郷の住人たち(仮)』。
 舞台となる冒険世界のイメージをぼんやり描いております。
 とっととひと段落させて実際のゲームに手をつけたいがもうちょっと。

 今回は、この冒険世界に存在する「魔法」について。

 
 

◆ままならない不思議なもの、それが魔法

 ファンタジィ題材なので、魔法・魔術は まぁ有るだろうとして、ゲーム内で
どう描き出すかは考えどころです。
 全体的に「おとぎ話感・メルヘン感」をやや重く見てファンタジィ性を押し出
していけたらなぁ、というのが目標でもあるので、魔法・魔術についてもそう
いう方向性で行きたいところです。

 そういう狙いで考えますに、いかにもゲームっぽい「便利で確実な魔法」と
いう扱いかたは避けた方がいいような気がします。
 ゲームでプレイヤーらが活躍するためのシステムとしての魔法というと大抵は、
しかるべき対象に用いればほぼ確実に発動し、人の身では普通得られない大きな
効果をほぼ確実に、想定されたとおりに発揮してくれるもので、使用の枷となる
のは回数制限等……と、便利な機器や重火器のような扱いだったりしますが。
 おとぎ話感・メルヘン感のためには、むしろ逆を行くべきなのでは。
「利便性からはかけ離れた、不確実で思わぬことも引き起こす、たまーに助けに
なってくれるビックリ現象」。こういうのこそ魔法っぽくないでしょーか。

 てことで『妖精郷の住人たち(仮)』の各ゲームにおける魔法はそういう感じで、
とらえどころのない面が多く不思議でちょっと怖い、まさに「魔の法」なイメー
ジで組み込んでいきたいと思うのです。

 
 

◆魔法に触れる機会のほどは

 『妖精郷の住人たち(仮)』の世界の人々にとって、まったくままならぬ神秘の
現象である魔法は基本、縁遠いもの。
 むしろ妖精や魔物の分野で、人間と違いファンタジックな存在であるかれらは
魔法・魔術によく通じ、いろいろな形で行使することでしょう。

 この世界で普通の人間が魔法に触れることがあるとすれば、たまたま妖精や
魔物、魔法的な場所に接近してしまった時でしょう。いたずら妖精に出会って
魔法でちょっと騙されるとか、魔物のふるう魔法で捕らわれて襲われるとか。

 そんな魔法だから、人間社会で理解・行使されることはあまり無いでしょう。
 魔法的現象やその力はニンゲン領域にとって、「妖精郷」の脅威が侵入して
くることであり、できれば遭遇したくないことなはずです。
 まれにそうした常識を外れた者が人里で魔術を見せたりすれば、恐れから積極
的に攻撃されたりはしなくとも、「できればどこかへ行ってくれないものか」と
いう扱いを受けるのは仕方のないところでしょう。

 だから仮にプレイヤー扮するキャラクターが何らかの魔術を身につけたとして、
ゲーム中、ニンゲン領域でそれを行使する時は、そうと知られないよう気をつけ
た方がいいかもしれません。

 
 そんな環境下にあって、人間の身で「魔法・魔術の道を追究しよう!」なんて
考えるのはもうかなりの変わり者だと思われます。
 ロークの学院とかホグワーツ魔法魔術学校とかみたいな ありがたい場所など
無いでしょうし。
 そんな魔法探究者たちはおそらく、恐れられる/利用されることを避けて、
人と距離をとるように生きているのが大半なのだろうと想像できます。人里離れて
「妖精郷」の方へ踏み入る冒険をしている時に、そうした人に出会えることがある
かも。
 そして彼らが追究する魔法・魔術というのも、「魔法でできることの範囲やその
効果・威力の拡大」みたいな実効的・即物的なことではないのでしょう。
 きっと魔法が立ちあらわれるその道理や世界のメカニズムを明らかにしたい
欲望がまず有り、実効的な術などはその手段であり副産物に過ぎないのです。
 昔ながらのファンタジィ小説ではお馴染みな構図ですが、ゲームでは最近むし
ろ珍しい光景な感じがします。

 
 ……と、ここまで想定した様な魔法環境にあって、プレイヤー操るキャラクター
たちが ゲームの中で魔法を得て行使することがあるとしたら、どんな風に機会が
生まれると想像できるでしょうか。
 ゲーム群の一つとして「魔法を追究するテーマのゲーム」がいずれ作られれば、
その中では当然キャラクターは魔法探究者として振る舞うでしょう。ではそうで
ない、旅や冒険に日々を過ごすようなキャラクターが魔法を使うには?

「キャラクターレベルが上昇すれば自動的に新しい魔法が身につく」ような便利
すぎる形は『ファンタジィの「魔の法」なイメージ』からかけ離れてしまう気が
するので避けたい方針……というのは最初に述べたとおりですが、ではどんな
考え方で行けばそんな「ままならない不思議なもの」感そのままにゲームルール
に取り込んでいくことができそうなもんでしょう。

 パッと考えられるのは、こんな感じ?

 
【魔法的な力を帯びた物品を得る】

 わかりやすいマジックアイテム。
 おとぎ話で普通人が魔法の得るといったらまずこれですね。
 妖精や魔物の領域で魔法の物品を手に入れて、その品の力を引き出すだけ。
 想定される中ではきっといちばん確実で便利なパターン。
 ゆえに独自性も何もなくて「ふーん」てなもんですが。

 
【「妖精や魔物の領分に触れる」ことで、一時的に「魔法を帯びる」】

 もって回った小難しい書き方になってますが。
 魔法的な力を帯びた何か(物とか場所とか)に触れたり係わったりすると、
 その力が一時的にキャラクターに宿って 少し魔法を使えるようになる……
 ……なんていうのは良いんじゃないでしょうか。
 魔法に触れる機会を伏線としての、「いざという時に発現する思わぬ助力」
 としての魔法、という おとぎ話の流れ的なイメージで。

 『Roads to Lord』シリーズとか、あと『Call of Cthulhu』シリーズなんかも
 そういうスタイルで魔法を扱ってますね。
 『Call of Cthulhu』では魔法の獲得元はおもに魔道書ですが。

 キャラクターに[魔法を帯びる]才があったり そうした経験を多く重ねると、
 得られる/操れる魔法の力、それを御せる能力 は拡大していく……とか。

 
 こんな感じで魔法を得られる/使えるようにゲームが作られていれば。
 「妖精郷」を冒険するような冒険者キャラクターはおのずと妖精や魔物に接近
する機会が増え、結果として普通の人には縁遠い魔法を得やすくなりますね。

 
 
 

サッカー編 その2

 

 

球技ルールで遊ぼう・第9回

 
 
 久々ですが、唐突に思いついちゃったことがあるので書いときます。

 「スポーツ観戦が好きだがサッカーはちょっと」という人と話してると、理由
としてよく出てくるのが「1得点ずつで逆転とか無いからつまんねー」みたいな
言。まぁ出会いの順番的に馴染み損ねたことからの、後付の理由なことも多かっ
かりするんじゃないかなーとも思ったりするのですが、アメリカ方面で人気の高
いスポーツなんかは確かに、逆転可能性があるものだったり、逆転要素が入るよ
う後からわざわざルール改訂されたりしてるので、そういうのを求める強い要求
は根強いものなんでしょうか(欧州とかではサッカーはじめ逆に、そういうダイ
ナミックさは求めず状況なりに楽しみを見出す文化があるような気がします)。

 そんならサッカーに逆転要素を付加するのも やりようはあるかもよ、ってこと
で、以前第1回でもちょいと考えてみたりもしたのですが、今回はその時とはまた別のやり方を。

 
 

◆妄想・一発逆転のあるサッカーをでっちあげてみる

 第1回の時には「1ゴール2得点が入る場合」というのを設定することで逆転
ゲームの余地を作ってみたわけですが、今回の思いつきは「いつでも常に即逆転
の可能性がある」形です。

 それはこんなの。

 

 ●ゴールの効果を変更

   ゴール → 「得点+1」ではなく、
   ゴール → 「勝ち権利の獲得/移動」とする。

 
  たとえば。チームAとチームBの試合。

  チームAが先制してゴール。
       ↓
  これによって、チームAが勝ち権利を得る
  このまま試合終了時間が来れば、試合はチームAの勝利となる。

 
  一方、ゴール=勝ち権利を失ったチームBが、
  その後にゴールを返すと。
       ↓
  通常のサッカーなら同点で五分となるところだが、
  このルールでは、ゴールしたチームBに勝ち権利が移動する
  一転、このまま試合が終わればチームBの勝利となる。

 
  常に「試合時間終了時点で、最後にゴールしたチームが勝利」となる。
  両者にゴールが生まれなかった時のみ、試合は引き分けとなる。

 
 どんなに負けている状況でも、1ゴール決めれば勝てる。
 常に一発逆転の可能性がある。
 こりゃあスペクタクルだ。

 しかし、それならば。

 このルールで試合する場合、ゴールして勝ち権利を持っているチームが さらに
ゴールを決めることには、何の意味も無いのか?

 
 それではつまらないので、ゴールを重ねることで得られるメリットを別に考え
たいところです。

 こういうのはどうでしょう。

 

 勝ち権利を持っているチームがさらにゴールしたら、1ゴールごとに
 相手チームはメンバーの誰か1人を退場させなければならない。

 
 退場で人数が減ればそれだけ不利になり、逆転ゴールの生まれる可能性は低く
なっていくので、優位なチームにメリットがあります。

 それでも逆転の可能性がゼロになることはない。
 それこそ全員退場にでもならない限りは。

 さすがに失点による退場人数には上限を設けるべきでしょう。

 現行サッカーでも、一方のチームが7人未満となった場合は
 没収試合になる規定があります。

 この規定の人数感覚に倣うと、失点による退場はギリギリ没収試合に
 ならない4人まで、とするのがいいのかも。
 つまりこの場合、5つ以上の追加ゴールは実質意味がない、と。

 ※まぁこのルールの場合、反則行為のレッドカードの無いクリーンな試合
  でも追加ゴールで双方がバカスカ退場していく可能性が常にあるので、
  没収試合規定そのものは適用しなくていいかもしれませんけどね。
  あるいは適用ラインの人数設定を下げるか。

 
 追加ゴールを受けてしまった時に、退場させるメンバーに誰を選ぶのか。
 攻撃の選手か、守備の選手か。
 そうした監督のメンバー管理策も、大きな見どころのひとつになるかも。

 
 最後に、この形式で試合する場合 他のルール面では、PKの扱いだけは何か
しら調整を加えた方がいいかも。
 微妙な判定が試合結果に及ぼす影響が、今以上にクリティカルなものになる
だろうし。

 
 

ワールドイメージをつくろう・5

 

 
 構想中のRPG的ゲーム群『妖精郷の住人たち(仮)』。まだまだぼんやり。
 目下、具体的なゲーム作りの下準備として、舞台となる冒険世界のイメージを
ぼんやり描いてる段階です。詳しくは過去記事を。

 今は、広大な妖精世界の中にポツンと存在するニンゲン領域の社会や暮らしの
イメージについて、楽しげな冒険の舞台として・各種ゲームを作っていくのに
適したワールドとして、いいかんじの形を探っています。

 今回は、この冒険世界に住む人間たちにとっての、宗教の扱いについて。

 
 

◆宗教とその“実効”についてどう考えると良い?

 「いわゆる」とか言われがちな西洋風ファンタジィ世界にあって、神とか宗教
とかの存在はわりと重要になる要素で、その設定ひとつで、その架空世界の様相
や「色」が定まったりすることもあります。

 冒険世界全体を単一の宗教が覆っているのか、複数の宗教観・体系があるのか。
 一神教なのか、多神教なのか。どのように信仰されていて、それが社会や生活
慣習の中にどう組み込まれているのか。

 そして何より重要なのがこれ。、

 その神・宗教の力は、その世界において“実在”するのか?

 神様やその力が本当に存在して、人々の「現実」として世界に作用しているの
かどうか。

 神(々)が人々の目前に実際に姿を現したり、「神の力」ってことが明らかな状態
で奇跡や天変地異を起こしたりするのか。
 こういうのをやられたらもう、人々は神の実在を疑う余地など無いし、ひれ伏す
ほかかありません。
 ゲーム的には定番パターンとして、聖職者のキャラクターが「神の助力」のよう
な独自の魔法的パワーを発揮するのかどうか、というのも重要ですね。いわゆる
僧侶系魔法とかいわれるやつ。回復系多し。デジタルゲームでは減少傾向ですが。

 ともあれそういうことで、このへんは方向性を定めておきたいところ。

 
 

◆ゆるめの信仰はありつつ神の実在は曖昧にしときましょうか

 ゲーム的都合からいえば、人間社会に宗教勢力は在っていいと思います。
 「権力闘争ゲーム」などを作る際に社会勢力のひとつとして存在感を発揮し
たり、冒険全般において情報や知識の供給源になってくれたり、人の集まる場
として舞台になってくれたりと、なにかと便利が良さそうです。

 一方で、神(々)の実在が証明できてしまうような“神の実効”にもとづいた
宗教は、この世界の人々には似つかわしくないように思えます。

 “神の実効”が現実にある世界を想像するに、人々の暮らしも、プレイヤーさん
の遊ぶ冒険も(つまりゲームプレイのあり方も)、すべて神の意を窺いながらの
ものになってしまいそうなので。『ルーンクエスト』みたいな。
 まぁ“神の実効”は有りつつ“神の意”を緩く曖昧にすることでそういうのを
回避してる例もありますけども。

……そう考えると、
「この冒険世界には 誰の目にも明らかなような“神の実効”は無い」
とした上で、人間社会には
「日常に浸透したユルめの信仰と、それを指導する宗教勢力がある」
……というくらいの形が望ましいでしょうか。

 「日常に浸透したユルめの信仰と、それを指導する宗教勢力」の塩梅のイメー
ジとしては、古代ギリシア、ローマとか、あるいは現代日本の「神様仏様」な
感覚とかが近いかも。
 となると多神教かな。自然崇拝と民族起源説話から来た神話があるような。

 
 で、人々の信仰のあり方とはまた別のこととして、「強大な超存在」としての
「神みたいなの」は世界に実在してていいとは思います。
 表立って現れたり力を振るったりすることは基本無く、稀に奇跡や天変地異の
発生源等となる存在として。
 こうした神秘的な「強大な超存在」「神みたいなの」は、人間たちよりむしろ
広大な「妖精郷」に棲む妖精や魔物たちがよく通じていることでしょう。

 プレイヤーが操るキャラクターたちも、「妖精郷」を冒険してその深奥に踏み
込めばいずれ、そうした存在の一端に触れることがあるのかもしれません。

 
 
 

ワールドイメージをつくろう・4

 

 
 ぼんやり構想中のRPG的ゲーム群『妖精郷の住人たち(仮)』。
 どんなゲームにしたいってのさ、「ゲーム群」って何なのさ、というあたりに
ついては、よろしければちょっと前のコンセプト周りを書いたものを見てやって
くださいませ。

 今は具体的なゲーム作りの下準備に、舞台となる冒険世界の基礎的イメージを
ぼんやり描いてるところです。
 ワールドイメージは この段階であんまり詳しいところまで突っ込んで作る気は
なくて、ある程度いい頃合いのところまで進んだら実際のゲーム作りに進んでし
まおうと思ってます。
 むしろゲーム各々の方から要求として「冒険世界この部分はこうあって欲しい」
ていう事柄がきっといろいろ出てくるはずですから。

 前回は、冒険世界の中で「ニンゲンが自分らで概ね支配できる、ニンゲンたち
主導の領域」=ニンゲン領域の広さ・サイズのイメージについて考えました。
 冒険世界全体をヘロドトスの世界地図くらいのサイズ感覚で捉えると決めて、
ニンゲン領域はその中におけるギリシア世界くらいの広さでいこうということに。
 他の地域はすべてヒトの支配の及ばない、さまざまな驚異・驚異とファンタジィ
要素で満ちた妖精領域です。

 
 今回からちょっと考えてみたいのは そのニンゲン領域の、社会のありようや
人々の暮らしのイメージについて。文化とか技術とか生活とか、はたまた魔法
とか、楽しげな冒険の舞台として・各種ゲームを作っていくのに適したワールド
として、どのような形が適しているもんでしょう。

 
 

◆おとぎ話感・メルヘン感をあまり損なわない社会って

 まず。いきなり下卑た話からですみませんが。
 これから設定していくニンゲン領域社会としては、社会を下支えする層の人々
の中に、痛ましい極貧を強いられているような奴隷や農奴が存在することは、
できれば避けておきたいところです。
「おとぎ話感・メルヘン感」維持のために。

 貧富の差や身分差はあっていい(「権力闘争ゲーム」が作れる土壌は欲しいで
すし、プレイヤーとしても、自らのキャラクターの出世や栄達は目指してみたい
ところでしょう)ですが、災害や戦争のような事態が無いのに常から悲惨な暮ら
しに追いやられているような人々はいない、慎ましやかでも平穏に生きていける
社会であるのが望ましいです。
 たいへん都合のいい話ですが、都合に合わせ世界を思い描くのがファンタジィ
とゆーものでしょう。

 そういうことも考えると、気候的にも温暖で過ごしやすい、耕作に適した場の
が多い土地である、としておくのが良さそう。

 そして、これに更にゲーム的な都合も加味して考えると。

 いくつかの国に分かれる予定のニンゲン領域社会ですが、各国間で民族、言語
の違いはナシとして、おおむね単一の文化を共有してると考えるのがいいでしょ
う。ニンゲン領域内の移動~生活で文化差異の困難が多いのはゲーム的にちょっ
と困ります。そうした困難は、ニンゲン領域の外に出た時に出会うものだと考え
ています。

 ほぼ同じ文化・言語を共有してるのに単一国家になっていないのは まぁ、
「古くは別の民族だった」とか、
「地勢的な理由」とか、
「都市国家が成り立ちで、てんでに発展してきたから」とか、
そういう歴史的が理由があると考えておけばいいでしょう。
 各国間で戦った歴史なども当然あるだろうと想像できます。
 でも、そういう歴史を詳細に作ることはしません。
 ゲームを遊んでいて必要になった時に、必要になった人が必要な分の歴史だけ
そのつど生み出せばいいと思います。

 RPGでは大事な「お金」については、重量でもって価値の決まる秤量貨幣が
使われている、ということにすれば好都合かなと。ちょいと原始的ですけど。
 国や都市ごと違う形態で作られた貨幣でも、冒険者が妖精をだまして巻き上げ
た金銀でも、同じ基準で扱うことができます。

 各国の政治形態などは、国ごとの概要を考える段階で目を向ければいいかなと
思っていまずが、基本は初期的な王国だろうなと。
 その上で全体的に、身分職業の固定圧力は緩めとしておきたいところです。

 
 全体的なテクノロジーのレベルについては、なんとなくなイメージですけど、
西洋風ファンタジィ定番の中世イメージよりは「やや古代」な感じのつもりで
ここまで考えています。先述の貨幣や政治のあり方とかもそのイメージに寄せて
ますし。
 まぁすごく曖昧な、あくまで印象の話なんですけど。

 そしてこの世界は、ゲームの舞台として在る限り「時代」というものは存在
しない、とします。なのでテクノロジーレベルは発展も衰退もせず、国の興亡は
(ユーザーさんの自由で)あってもその風土は不変。
 常に変わらず有る遊び場・冒険世界ということで。
 でないと色々と扱いにくくなるでしょうから。
 たいへん都合のいい話ですが、都合に合わせ世界を思い描くのがファンタジィ
とゆーものでしょうハイ。

 
 
 

ワールドイメージをつくろう・3

 

 
 ぼんやり構想中のRPG的ゲーム群『妖精郷の住人たち(仮)』。
 舞台となる冒険世界をぼんやりイメージすべく、とりあえずワールドイメージに
込めておきたい要件をぼんやり並べて、ぼんやりした地理的概念図に落とし込ん
でみたのが前回でした。
 こうしてぼんやり概念図にしてみて、ここからだんだん具体的にしていこうって
ところで、さしあたって次に気になるのは、ニンゲン領域のサイズです。
 前回のこの領域↓が、どのくらいの広さなのか? どのくらいが適当なのか?

ファイル 135-1.png

 
 ゲーム内で中心的な舞台となるだろうエリアですし、要素盛りだくさんで密度も
高くなるところ。この範囲内を移動するだけでもそれなりに「旅感」が発生して
くれるような距離感というかサイズ感が欲しいですが、一方でプレイヤー(の操る
キャラクター)には当然、この領域から外へ出て行く旅も積極的に促して行きたい
面もあります。そのあたりも踏まえてのトータル的なスケール感が大事、な気が
します。
 そのへんもろもろ考え合わせつつ、軽く検討してみましゃう。

 
 

◆ニンゲン領域のサイズ感/何か基準が欲しいなー

 こんな風に架空世界を新しく作り出したい時、ガッツリ詰めて考えるならきっと
「どんな気候・地形で、何を育てる耕地をどれくらい得やすいか」とか、
「どのくらいの人口を支えて、どのくらいの規模の興亡をさせたいか」とか、
「どのくらいのテクノロジーレベルを想定するか」とか、
そういう諸々をちゃんと突き合わせながら合理的に進めていったりできるとカッ
コイイのでしょうけど。
 そんなアレコレ全てを立てるような土地イメージをポンと一発で生み出すよう
な才能は私には無いので、まず「だいたいこんなかなー」という広さ感を、いい
かげんでもなんでも一旦決め打ちしちゃって、それを基準として微調整したり、
他の要素の心配をしたりしていくのがいいかな。
 多少おかしな点が出来ても、それはファンタジィ的な発想で吸収していければ。
「おとぎ話感・メルヘン感重視」ですし。

 他のファンタジィ有名作では、舞台世界はどのくらいのサイズでしょう。
 参考にできないものかな。

 『指輪物語』などでおなじみトールキンの「中つ国(Middle-earth)」は、
ずーっと昔、想像上の時代の北西ヨーロッパが想定されてるって話ですね。
 『ゲド戦記』の舞台「多島海・アースシー(Earthsea)」はもうひとつサイズ
感がわからない。
 『氷と炎の歌』の「ウェスタロス大陸」は、南アメリカ大陸にほぼ等しい広さ
らしい。
 南米大陸はおよそ17,780,000平方キロ。
 較べると地中海とその周辺も含めた欧州全域もだいたいそのくらいのサイズに
なりそうで、「中つ国」も「ウェスタロス大陸」も近しいスケール感で語れる
感じっぽいです。

 
 

◆ヨーロッパのサイズを基準に考えるなら

 なら『妖精郷の住人たち(仮)』のニンゲン領域も、まずはそのくらいでいい?
って気もしちゃいますが。

 でもなんか、欧州全域くらいの地域があって、さらにその外に妖精の領域が
拡がってて「さぁ、どんどん外へと冒険に出てください!」と促しても、やや
長旅に過ぎるような気も。シルクロード踏破か大航海時代かってなもんで、
一回一回が生涯の大部分を捧げるような大冒険になっちゃいそう。
 ニンゲン領域外への旅でも正直そこまでの深刻さは求めてないので、もうちょっ
とコンパクトな世界の方がいいかも。

 ならば、こんどは妖精の領域まで含めた冒険世界全体を、ヨーロッパサイズに
仮託してみると、どうなるでしょう。

 たとえば古代のヨーロッパで、ギリシア世界や共和制ローマあたりをメインに
置いて考えてみると、そこから見れば ガリアのケルトにしろゲルマンにしろスキ
タイにしろ異質な異民族たち。ペルシア強くて怖い。
 このギリシア世界や共和制ローマのサイズ感を冒険世界のニンゲン領域にあて
はめ、対して周辺の異民族のイメージを妖精領域の住人たちにあてはめると
いう、現実にある民族伝承や物語とかのあり方と同じやり口をやってみたなら?

 現在のイタリアの面積がおよそ 301,230平方キロで、これは日本から北海道を
除いた面積にわりと近い。古代ギリシア領域もサイズのイメージ的にはそう変わら
ないっぽく思えます。
 この広さの中だけでも小国を分けて興亡とか余裕なのは、現実の歴史も証明し
ているところです。

 ――この全体的なサイズ感は良い感じな気がします。
 このスケール感で行きましょうか。

 なんとなく想起するのは、ヘロドトスの世界地図みたいな感じでしょうか。
 ギリシアの主な支配域がニンゲン領域で、その外は妖精領域。
 その果てがどうなっているかは、ニンゲンたちにとってはまったくの謎です。

 
 冒険世界のサイズ感が見えたところで、次回からはニンゲン領域の内側の
ことを考えていきましょうか。

 
 
 

ワールドイメージをつくろう・2

 

 
 RPG的ゲーム群『妖精郷の住人たち(仮)』(ただいまぼんやり構想中)。
 いまは、具体的ゲーム作りの下準備として、舞台となる冒険世界のイメージを
作ってみようとしてるところです。
 前回、とりあえずワールドイメージに込めておきたい要件を並べてみたところ
なので、続いてはそれを、いくらか具体的な地理的概念図に落とし込んでみる
遊びをやってみましょう。

 
 

◆要件を満たす世界ってどんなの?/ニンゲン領域

 前回挙げてみた世界の要件を軽く確認しますと。
「西洋風ファンタジィ架空冒険世界」で、おとぎ話感・メルヘン感やや高めな、
血なまぐさくない、基本「死なない」感じの世界(にしたい)。
 で、同世界設定下で作る個別の各ゲームを、以前に例示したようなテーマの
ものは少なくとも成立させられる世界(にしたい)。且つ、さらなる発展拡張が
できそうな妄想の余地をもあちこちに持っている世界(にしたい)。
……という感じで。

 これら要件を満たす世界ってどんな感じ? というのを、モヤッとした地図っぽい
ものにしながら考えていきたいと。

 やってみましょう。

 まず、プレイヤーが成り変わるキャラクター/その世界の住人は、生物としては
我々と何ら変わらない普通の人類・ニンゲンである、とします。
 異質な異種族だとか亜人類だとか魔物だとか妖精だとか、そういう不可思議な
存在は、あくまでキャラクターたちが出会い 向き合う者たちであって、成り変わる
ものではないよ、と。おとぎ話感・メルヘン感の一環としてね。

 その上で。
 世界の中でそんなニンゲンたちが住んでる領域は、「国家間勢力闘争」ゲーム、
「大規模集団戦」ゲームを成立させたいわけなので、当然いくつかの国家に分か
れている、とゆーことにします。
 どのくらいのサイズの領域があるのか? どんな文明を持つ、どんな形態の国
が、いくつあるのが適当なのか?――そうしたことも大事ですがそのへんに注目
していくのは一旦置いておくとして、とにかく「複数国家に分かれた人類の土地が
ある」よ、と。
 そして「建築・開拓」ゲームも成立させたいので、その人類圏にはさらに開拓
していける余地をまだまだ残していると。

 そんな様子を図にするとこんな感じか。国の数は仮ですが。

 
ファイル 134-1.jpg

 
 これが、この冒険世界で「ニンゲンが自分らで概ね支配できる、ニンゲンたち
主導の領域」である、ということにします。
 この領域内については、ニンゲンの存在そのものをおびやかすような脅威と
なるほどの圧倒的なファンタジィ的要素は存在しません。

 では、この周囲はどうか。
 ニンゲンの領域内だと、ファンタジィ的に安全性が高めで脅威が少ないであろう
代わりに、「ファンタジィ的なものすごい大冒険」もあまり望めないと考えられます。
 でも「RPG的ゲーム群」を作ろうって身としては、「ファンタジィ的なものすごい
大冒険」を起こせないような世界では困ってしまいます。困るのです。
 なのでそれが起こってくれる場所を、ニンゲン領域の外部に積極的に配置して
いきます。
 いやさ、いっそ そういうエリアで外部をすっかり囲んでしまいましょう。

 
 

◆要件を満たす世界ってどんなの?/危険な外の領域

「ファンタジィ的なものすごい大冒険」を生み出していけるようにするため、
ニンゲン領域の周囲を 大冒険の発生源でぐるりと囲んでやります。

 まず「外洋航海」ゲームは成立させたいので、ニンゲン領域からのある一方
は海に接することにしましょう。

 冒険のための海なので、その向こうには既知の異国や貿易航路はまだ存在しま
せん(それらはゲームのプレイヤーこそがプレイを通じて見出していくべきもの
でしょう)。
 波の向こうに何があるのかまだ誰も知らない、果てしない大海原です。

ファイル 134-2.jpg

 
 そして それ以外の周囲は、すべてニンゲン以外の支配する大地。
 妖精や魔物の棲む土地です。
 ニンゲンにとってはファンタジィ的に脅威・驚異が大きくて、とても気軽には
踏み込めない領域。

 おとぎ話感・メルヘン感高めなイメージなので、こう「恐ろしいオーク軍団が
血まみれの蛮刀振り回しながら、恐怖に震える人間たちを端から肉塊に変えつつ
雄叫びあげて進軍する」……みたいなハードな事件が起こることはあんまり想定
していませんが、基本、人々は恐れて近寄ろうとしないでしょう(それを敢えて
挑んでいくのがプレイヤーの操るキャラクターたちです)。

 こうした妖精や魔物の領域は、わずかなニンゲンの領域に較べれば、きっと
人知を超えて果てしなく広大なものです。
 優位にあるのはニンゲンなどではなく妖精や魔物たち。
 もしかするとこのニンゲンの領域というのは、遠い昔この魔境にたどり着いた
ヒトの祖先たちが、辛うじてほんのわずか端っこにかじりついて得た地なのかも
しれません。

 だから『妖精郷の住人たち(仮)』。

ファイル 134-3.jpg

 
 まぁ 漠然とだだっ広いスペース用意して ただぼんやり「妖精郷」なんていっ
ても、冒険する意欲なんて湧かないと思うので。追い追い、何かしらニンゲン領
域から見ても目標にできるランドマークとか、冒険心を喚起するような要素を、
あれこれ配していくことになるでしょう。
 深い深い森とか。山々とか。ニンゲン領域までつながる河とか。いろいろ。

 あと、この「妖精郷」ゾーンの中に、陸路で「べつの領域」へと繋がることを想起
させる「道」とかが“なぜか”存在してても、冒険心を喚起してくれて良い
ような気がします。
 誰が何のために作り、その向こうに何があるか、すべてが謎な「道」。

 
 ……と、ここまでの内容でできた、ゲーム的に求められる冒険世界の地理的
イメージはこんな感じ。

ファイル 134-4.jpg

 
 大枠をぼんやり思い描いてみたところで、今後、ここから更にイメージを足して
いきたいと思います。

 
 
 

ワールドイメージをつくろう

 

 
 絶賛妄想中のRPG的ゲーム群『妖精郷の住人たち(仮)』。
 「ダンジョン(クローズド環境)探索もの」ゲームから「旅行(野外移動・探索)
もの」ゲームへと着手していこう、という流れを決めたところで、続いては全体の
背景を支える冒険世界のイメージを、ある程度掴めるように下準備をしておきたい
と思います。
 作る設定は当座 必要なぶん最低限でいいのですが、要不要とか関係なく
「オレはこういうの好きだからこういう風にしたいのじゃ」という希望要素につい
ても多少はここで考慮に入れときたいところです。そういう好みで入れたい要素が
あとあとの制作に矛盾や制約を生んじゃったりするとマズいし。
 
 

◆要件を並べてみると?

 創出しますは、RPG舞台としての「西洋風ファンタジィ架空冒険世界」です。
 これだけはすでにここまでで決めています。

「西洋風世界」は、RPG的な定番感と、RPGが日本に入ってきた当時に
私が興奮した“舶来もの感”を重視してのものです。
「ファンタジィ世界」なので、幻想的で不可思議な存在や現象がさまざま
あらわれます。
「架空世界」なので、地理や民族・民俗など目に見える部分では、現実から
直接持ってくることはしません(間接的・部分的にはあるかもですが)。
「冒険世界」なので、プレイヤーが成り代わる住人=キャラクターに対し、
乗り越えるべき困難や 立ち向かう手段を、世界の中にいろいろと潜在的に
お膳立てをしておく必要があると思います。

 これに加えて、世界の中に満たすべき要件としは、個別のアナログゲーム
として抽出・展開できるような/したくなるような、いろんな楽しい側面を
持っていなくては。
 少なくとも、これまでに例に挙げたような各種ゲームを成立させられる世界
にはしておきたいところです。
 つまり、

 「ダンジョン(クローズ環境)探索」が起こる事件・舞台があり、
 「旅行(野外移動・探索)」が楽しい多様な地理や生態があり、
 「シティアドベンチャー」ができる密度の都市があり、
 「大規模集団戦」が起こるだけの戦争の背景があり、
 「外洋航海」ができる海と船舶があり、
 「国家間勢力闘争」を起こす複数国家があり、
 「内部権力闘争」が発生するだけの複雑な権力構造があり、
 「建造」できる(して楽しい)施設がいろいろあり、
 「開拓」の意義と拓いていける土地があり、
 「魔術探究」に相応しい魔術体系の奥深さがあり     ……等々。

 これらをぜんぶ含んでいて、且つ、さらなる発展拡張ができそうな妄想の
余地をもあちこちに持たせておきたい。高望みですね。

 
 

◆あと乗っけておきたいこと

 上に並べた要件に加えて、世界作りのコンセプトとして込めておきたい事柄
――世界観とかイメージとかについての――も今のうち書き置いておきますと。

 

・ハイファンタジィ系よりはやや幻想性度を高くしたい

 「幻想性」ってのが即ちファンタジィ性なんだから何をかいわんや、て感じ
ですが。
 「ハイファンタジィ」とかいわれるものがあるじゃないですか。架空世界の
成り立ちやそこに住む者たちの社会や生活、魔法のメカニズムとか、そうした
背景に緻密で深い設定があって、そうしてリアリティを与えられた舞台でシリ
アスで重厚な物語が展開されるような。
 『妖精郷の住人たち(仮)』も、ゲーム群という形で「遊びの素材」を提供す
るというスタイル上、遊びながら異世界を感じてもらえるように設定を積み上
げていくことで、ハイファンタジィ方面に寄って行くことは避けられないん
だろうなと思うのですが。そんな中でも『妖精郷の住人たち(仮)』の世界に
おいてはできるだけ、過度に厳密でない、適度なアバウトさを保っておきたい
なぁ……というのが私の希望です。
 高度で厳密な設定は、「それを理解してなきゃ楽しめない」という状況を
生み出しやすくしてしまうとも思えるので。
 まだ具体的にどうだということではないのですがね。
 「ふしぎ」をそのまま「ふしぎ」で片付けてオッケーなような、そういう
懐の深さを持った世界を遊びたいのです。ファンタジィなのだもの。
 おとぎ話感というか。メルヘン感というか。
 ファンタジィなのだもの。

 

・血なまぐさくない、基本「死なない」感じで

 上のハイファンタジィ云々の話とも関連することですが。
 戦いによる勝ち負けや身体的負担、そして生命・死は、ゲーム上どうしても
その扱い方・描き方を考えないわけにはいかないテーマ。
 『妖精郷の住人たち(仮)』においては、血なまぐさくない、基本「死なない」
世界観で扱っていきたいと思っています。

 ゲーム内で戦いがあっても、描写において肉体破壊などの生々しいディテー
ルは掘り下げず、また「多少敵対しようと、相手の命までも取るというのは
余程のことだ」という価値観で世界全体をくるんでおきたいのです。
 ゲームのルールシステムが積極的な命の削り合い奪い合いの発生を促してい
たり、或いは「命の削り合い奪い合いこそが楽しい」構造になって
いると、全体的にゲーム展開そのものが殺伐としてきたり、「殺して解決」と
いう価値観が支配的になっていったりするものですが、そういうのは避けたい
なあ、と。
 おとぎ話感というか。メルヘン感というか。
 ファンタジィなのだもの。

 こういう価値観をゲーム内に込めようとすると、戦いの決着のあり方などは
大きく影響を受けることになるでしょう。
 戦いは基本、相手が屈服する/逃亡する、といった形で決着する。そして、
プレイヤーの操るキャラクターが敗れて屈服してしまった場合でも、その場で
ただちに命まで取られるようなことは(基本的には)無い。……というように
(相手にもよるでしょうけど)。これはそのままプレイヤー側に対しても、
屈服させた敵をそのように扱うべく促すことでもあります。
(まぁ想定ラインナップに「大規模集団戦」も含めている中で、こうした世界
観とどう折り合いをつけるかは、将来的に考えどころとなるでしょうけれど)

 
 
 

さて、どこから作ろうか

 

 
 前回までで見据えるべきコンセプトを決めてみた、「RPG的ゲーム群」
とでもいうべきモノであるところの『妖精郷の住人たち(仮)』。
 つづいて実作に向けて考えていきます。
 って、それはいいのですが。
 統一した世界設定でテーマ別にいろんなゲームを作っていくとして、
まず何テーマのゲームから作るのがいいでしょう。

 
 

◆最初に作るべきゲームは?

 先にコンセプトをこね始めた時点で、以前の記事の図に「パッと思いつく
個別ゲームネタはこんなところかな」という例を挙げてみてはいましたが。
これですね。↓

ファイル 132-1.png

 
 このうち、最初に提示するゲームとしてベストなのはどのテーマのもので
しょうね。ちょっと考えてみました。

 提供元としてはスタートアップで示したいのは、ゲーム単品としてのアピー
ルに加えて、後に続くシリーズとして押し出していきたい面。
 つまり「RPG的なゲームだよ」ということと、「世界観」と、
「世界の形のイメージ」……というあたりでしょうか。

 ここでいう「世界観」というのは、「世界をどういうものだととらえて――
ディフォルメして――描き出すか」、「世界のどんな面に注目し強調するか
/どんな面をあえて取り除くか」……といったことです。
 どうしても作中に表れる、作品世界全体を取り巻くある種の価値観。それを
自覚的にコントロールしたいと望む部分、とでもいいますか。作中の人命の
軽重とか、地味な生活部分の描かれ方(食事、睡眠、排泄、負傷や病気、性的
活動、経済生活、美徳悪徳、他)などによく表れます。

 世界の地理や、社会のありよう、人間外の生物や超常的存在、超常的現象や
その法則などなどは、「世界の形のイメージ」の方としてとらえています。

 
 こうした事柄をまず提示するには やはり、多くのRPGが備える基本要素に
倣ってみるのがいいでしょうか。
 つまり、キャラクター表現と個人戦闘まわりについてのルールシステム、これ
に冒険の背景・舞台としてのワールドガイド資料を添えた形。
 これらを主要素に成り立っていれば「RPGっぽい」ってことなので(?)
「RPG的なゲームだよ」ということに納得してもらいやすそうですし、ルール
システム化されたキャラクター表現や(葛藤を解決する手段の一環としての)
個人戦闘は、「そのゲーム内では人間や生命をどう扱うのか」という「世界観」
への意図が自然と込められます。

 となると、最初に作るべきゲームテーマはやはりというか、
 ダンジョン(クローズド環境)探索もの ということになりそうな。

 でもこのテーマ内だけでは、「世界の形のイメージ」を伝えられる要素はごく
限られたものになりそう。それを語ってくれそうなのは、
 「キャラクター描写まわりの中の独特な要素(あれば)」
 「想定される舞台/どんなクローズド環境がある?」
 「立ち向かうべき課題/敵の姿とかその対処法とか」
……の描かれ方とか、そのあたりくらいでしょうか。

 なのでできればこれに続けて間を置かず、
 旅行(野外移動・探索)もの も作れるといいのですが。
 こちらは冒険世界の地図が必須になるテーマなので、地理的な「世界の形」を
示すことができます。
「世界の形のイメージ」を伝えるに、地図はとっても饒舌です。
 世界イメージを伝えるための、けっこうな量の情報が収まるものなので。

 ダンジョン探索から続いて野外の冒険、というと、これはまさに『Dungeons
& Dragons』のベーシックセット → エキスパートセット の流れをなぞるかの
ようですね。

 
 よし、ではダンジョン(クローズド環境)探索ものゲームから
続いて旅行(野外移動・探索)ものゲームに着手していくという
流れで行くことにしましょう。決定。

 では次からさっそくゲーム実作に……と行きたいところですが、その前に
次段階としては、全体の背景を支える冒険世界のイメージをある程度作って
あげませんと。当座、最初に作るゲームに必要なぶんの設定だけでも。

 てことで次からはワールドイメージ作りをしていこうと思いますー。

 
 
 

『妖精郷の住人たち(仮)』制作記・3

 

 

こんせぷと を たてるよ :おまけ

 前々回前回の2回でもって、次に作りたいアナログゲームのぼんやりな
コンセプト周りをつらつら書いてきたわけですが。
 要は、自分の欲しい「RPG的ゲーム」を作りたい、と。

 統一された世界設定(西洋風ファンタジィ題材)のもと、
 RPGの断片みたいなテーマ別ゲームをたくさん作って、
 プレイヤーの自作キャラクターを使って、バラで遊んでもよし、
 各ゲームを「渡り遊んで」RPG気分になるもよし――なものを、と。
 さらにゲームマスターを置いて本格RPGとしても遊べるように、と。
 そんな感じなんですけど。
 風呂敷広げたなー。まぁ「作れるかどうか考えてみよう」という話で、
作れるとは言ってませんけどねまだ。

 そこまでを前回までつらつら書いて確認できたところで、以下は蛇足です。

 こういうゲームを欲しがる私はつまり、
「RPGを少々先祖がえりさせたもの」 が欲しいのかな
 ……なんて気がしたので、そのへんの話を少し。

 
 

◆ちょっと懐古趣味もあるかも

 今回こうして作りたいものとして書いてる「RPG的ゲーム」ですが、実は
昔のRPGの中には、けっこう近しいものもあったりしました。
 「まずゲームである」ということに強く拠った作りをしてるゲーム、とでも
いいますか。

 ていうか、初のRPGであるところの『Dungeons & Dragons』からしてそう
でした。
 そもミニチュア戦闘ゲームから発した『Dungeons & Dragons』は、最初は
「個人規模の戦闘とダンジョン(限定された空間)探索」だけの内容から始ま
りましたが、のちに「野外の旅と冒険」「城や領地の運営」「大規模戦闘」
「魔法の品の製作」etc……と追加ルールが生まれ、世界を多面的に遊べるよう
になっていきました。
 同じく初期のRPG『Traveller』もそうです。こちらはSFものですが、
キャラクター表現と個人戦闘のほか、「宇宙船の旅」「星間貿易」「地上探索
(地図や異星生物の作成・遭遇)」「艦船の設計・建造」「宇宙船の戦闘」
「宇宙戦艦内部での戦闘」「宇宙の大規模戦争」といった事柄が、追加ルール
やルール付シナリオ、またシミュレーションボードゲーム等の形で提供されて
遊びかたが拡張を見せてくれました。
 こういうのも、「RPGとは?」というところから探り探りだった黎明期
ゆえの展開だったのでしょうか。「RPGってこういうもの」というイメージ
が固まってくると だんだん少なくなっていくのですが。
 ともあれ私が今回作りたいなーと思ってるのは、「こうした各追加ルールの
すべてを、それぞれ単独でも遊べるようにしたい」くらいのものです。
 これってつまりは、私が『Dungeons & Dragons』や『Traveller』のそういう
面が好きで、それを新しい形で復活させたい、という懐古趣味もあるのかも
しれません。

 
 

◆気楽に「ゲーム」に頼りたい

 こうした、「自由!」とか「アドリブ!」とかに(あんまり)頼らずに
ゲームルールやコンポーネントが遊びをリードしてくれる遊びの形を私が
望むのは、ある種RPGの美点に背を向けてるかもですが。
 でも思うのです。
「RPGにおける自由さってそんなに使いこなせるもの?」
 自由なんだから上手い発想して上手いことやらなきゃ、とか、そんな気分
の中で気楽に楽しめなかった経験が私には多々あります。
 あえて言うと、「たかがゲームなのに」。
 自由とか演技とか、ゲームルールにリードさせながらゲームとしてサクサク
遊び進める中、その隙間々々に「いいタイミング」「いい発想」が生まれた時
だけ投入しても、わりと十分だったりしませんか?
 ゲーム中全編にわたって自由とか演技とかで埋めるのは大変だし、それほど
望むところではないでしょうきっと。

 ゲームシステムに委ねていい部分を多くする方向に揺り戻しをさせると、
競技性も簡単に発生・投入できますよ。
 競技性というと、一緒の卓でともにゲームしてる参加者間で 協力しつつ
同時に何かを争って競う、という形もそうですが、それだけじゃなくて。
 RPGのトーナメントってご存知でしょうか。
 大規模なRPGコンベンションで行われることがあったものなのですが、
同時にいくつもRPGの卓を立て、すべての卓で同じゲーム&同じシナリオを
一斉に決められた時間プレイし、そのシナリオ達成度や、いかに上手くプレイ
したかを評価ポイントにして卓単位で争う という、競技形式のRPG大会が
ある(あった?)のです。「ハリー・ポッター」のホグワーツ魔法魔術学校
(つまりイギリスのパブリックスクール)で寮ごとにその評価を争っていま
したが、それをRPGのテーブル単位でやるようなものですね。
 こうしたトーナメント的なことも、評価軸を設けやすいので実現がスムーズ
だと思いますよ。今なら「このシナリオで評価スコア**点出しました」みた
いなことをネット上で競ったりもできるでしょうし。

 
 
 ……とまあ、いま考えてることは、だいたいこんなところでしょうか、基本的な
目指したい願望として。
 あ、あとついでに、プレイを重ねることで、プレイの記録(キャラクターの軌跡)が
無理なくプレイヤーの手元に残るようにできるといいな。
 ゲームの構成物としては いくつか買い集めて欲しい都合上、個々のゲームは
あんまり贅沢なコンポーネントはムリだろうってことで、きっと極限までコストを
抑えつつ形にしていくことになるでしょう。
 それなりのラインナップを作り揃えるだけでメチャクチャ大変でしょうし、どんだけ
時間かかるんだよ、と思われるだろうし私もそう思いますけど。
 それでも継続的にやってるうちに、興味持った誰かが参画してきて勝手にライン
ナップ拡げてくれたりとか、そういうことが奇跡的に起こったりするとすげー嬉しい
んだけどな、というのはあったりします。

 
 
 

『妖精郷の住人たち(仮)』制作記・2

 

 

こんせぷと を たてるよ :その2

 ハイ、つづきです。
 自分の欲しい「RPG的ゲーム」を作りたいなぁ~、て話から始まって、
 「統一された世界設定のもと」、「ちょっとRPG気分を味わえる単一ゲー
ムを、」「いろんなテーマでたくさん作って揃え、」「それらを横断的に遊べ
る形のものを」作ってみたい。できたらいーな。西洋風ファンタジィ題材で。
……なんてお話になったのが前回

 こういうゲームがシリーズでできたならば。
 自分の作った持ちキャラでいろんなテーマのゲームを「渡り遊ぶ」ことで、
別世界の住人になって体験する「RPG気分」を、いくらか満足できるんじゃ
ないかなーと。
 さらに、たくさん遊ぶうちにキャラクターが成長していったりしたら、より
RPGっぽくていいじゃん、と。

 そして加えて言いたいのが。
 こういうゲームができたらば、その気になれば専任の進行役=GM(ゲーム
マスター)を置いて、RPGそのものとしてけっこう本格的に遊ぶこと
もできると思うよ、ということ。
 前回「RPGは億劫」とか言っててなんなんですが。

 
 

◆でもRPGとしても遊ぶなら

 さて、こうしたゲーム群でRPGとしても遊べるよ、ってお話ですが。
 いわば個々のゲームを、RPGでいろんなシチュエーションを表現するため
のツール(サプリメント)として利用しよう、という考えかたです。

 各ゲーム単独で遊ぶときは、ゲームごとのテーマで参加プレイヤー(のキャ
ラクター)どうし互いに競って勝ったり負けたりするわけでしょうけど、
これを、全員で共通の目的を達成すべく挑戦する「協力ゲーム」の遊びかたに
切り換えて、目的の提示と達成具合の判断をゲームマスターが担当するとホラ、
これだけでシチュエーション限定のRPGっぽくなります。
 ゲームラインナップを増やせばカバーできるシチュエーションも増えるわけ
なので、ゲームを多様に連携させるほどに幅広いプレイのできるRPGにも
なっていくわけです。

 「今日の冒険は『忘れられた古城の財宝を見つける』のが目標」
 「まずは『シティアドベンチャー』のゲームを使って、町で情報を知る者を
  見つけ出そう」
 「それをクリアしたら次に『旅行』ゲームで、古城までの道のりと現地での
  探索に挑戦」
 「みごと古城を見つけたら『ダンジョン探索』ゲームで内部に踏み込み、
  財宝を探し出す」

……というように。
まぁこの組み合わせ例は RPGとしてはベーシックすぎるでしょうけど。

 
 億劫さ(負担感覚)を減らして簡単にしたRPGというと。
 実は商業でも同人でも、すでにいくつも作られています。
 すばらしい。
 戦闘だけ抽出したゲームにするとか、ストーリーテリングゲームに特化する
とか、アプローチはいろいろ。
 そんな中、個性的な尖ったテーマや表現シチュエーションにだけ内容をギュッ
と凝縮することで、カンタン・短時間プレイを実現するコンパクトなRPGが、
いま同人界隈からちょっと「来そうな」感じがしてます。

 当方のやろうとしていることも、そうしたテーマ凝縮型コンパクトRPGに
感覚は近いでしょうか。つまりはこうした「小さなRPGいろいろ」をいくつか
組み合わせて遊ぼう、ということですから。
 組み合わせで独自の遊び方をデザインする、という新たな楽しさもきっと
あるはずです。

 こういう形で提供されるRPGは、言ってみれば「シチュエーションごとに
用意された協力型ボードゲームを遊ぶ」という感覚に近いので、参加者のアド
リブ能力でどんなことも描くような自由さはいささか落ちるかも知れません。
 でも別のイイコトが、いろいろとあると考えてますよ。

 
 

◆RPG的に見て、どんないいことが

 こうした形のRPG、遊ぶ側にも提供する側にもそれぞれ いくつかメリット
(いいこと)があると思ってます。

 

●組み合わせで独自の遊び方をデザインするという新たな楽しさ

  前述の内容ですが。
  要らない部分はスルーして、最低限のサイズで遊べばいい、と。

 

●ボードゲームとしてのベースがプレイ進行を後ろ支えしてくれる

  RPGとはいえ、シチュエーションごと協力型ボードゲームのように
 「何を目指して、何をすることでゲームが進んでいくのか」という
 基本部分がゲームルールであらかじめ決まっている(縛られている、
 とも)ので、プレイヤーは何をすればいいか迷うことがあまり無い
 と考えられます。
  そのゲームルールも、ルールが提示していく順にだんだん理解して
 いけばいいのです。
  ロールプレイング的に良い行動や画期的なアイデアが特に思い浮かば
 なくても、そんな時はゲームが提示する選択肢の中から進む道を選び、
 ルールに任せてその場は漫然とプレイしていれば、そのうちまたロー
 ルプレイング的に良い場面は訪れるでしょう。
  RPGだと「何したらいいか悩む」が連続して楽しめなくなることも
 あるかもしれませんが、そういうことを気にせずゲームがゲームとして
 成り立ってくれるのは、ひとつメリットなのでは。

 

●冒険世界イメージの大半は、プレイ進行中に現れるフレーバー部分で

  RPGを始める上では、参加者みんなで冒険世界のイメージを共有する
 ことも重要(その世界で何ができる/できない を規定するので)でかつ
 手間だったりもします。用意された資料を読む必要があったりとか。
  でもこちらの場合、そうした面も多分に各ゲームのルールシステムに
 委ねてしまうことができるでしょう。
  とにかく遊んでいれば「その世界っぽいことが起こる」ように、各ゲー
 ムを作っていくことになるわけなので、事前に冒険世界の設定などを理解
 しておく必要は無いだろうと思われます。
  でもってさらに、プレイ中に見ることになるゲームパーツ(ボードとか
 カードとか)のあちこちに、「その世界っぽさ」を演出するフレーバー要素
 も積極的に混ぜておいたなら。遊んでる間たまにでも見てもらうことで、
 プレイを重ねるうちに だんだん冒険世界への理解や愛着を深めてくれたり
 するといいなあ。

 
 
 ……とかとか。
 なにかと遊ぶ前に理解しておくべきことが多いのが(特にゲームマスターを
担う人)RPGですが、「最低限のゲームの進めかたさえ理解すればスタート
はそれでオッケー」とできれば、RPGで遊ぶこともボードゲームと同じくらい
には手をつけやすいものになるのでは。で、そうなることが正しいのかなとも
思うのです。だって「ゲーム」なんだし。

 遊ぶうちにゲームの「使いこなしかた」を掴んでくれば、各ゲームをツール
(サプリメント)として自由自在に扱い、高度なシナリオを導入して本格的な
RPGとしての遊びもできることでしょう。