記事一覧

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』自由布陣プレイ

 
 ファイル 42-1.png

 進行中の対局リプレイが前半15分をむかえたところですが、
ここでちょっと小休止して、ゲームの拡張ルールについてのお話を。

 自由な選手配置でゲームを始めるためのルールをご紹介します。

 

■実際のサッカーは自由なもの

 ゲーム開始時の各コマの位置は、あらかじめ定められてボードに印刷されて
います。
 これは、「手早くゲームを始められるように」、また「サッカー/フットボールという
競技にあまり詳しくない方がプレイしても、攻撃・守備どちらも行いやすいように」
……ということからのルールです。

 
 一方、実際のサッカーでは、選手の位置取りや役割分担は(ゴールキーパーを
除いたフィールドプレーヤーについては)自由なものです。
 守備に優れた選手ばかり10人を自陣ゴール前に並べて守りを固めても良し、
守備の考えを捨てて攻撃力のみに特化した10人で挑んでも良し、です。
 どのような特徴の選手を、どのように位置取りさせて攻撃/守備のバランスを
取るのか、どのように相手の守備を崩して得点を狙い、またどのように相手の
攻撃を防ぐのか……。

 「4-4-2」「4-2-3-1」「3-4-2-1」等といった数字で表した選手の並び=フォー
メーションはしばしば耳にされると思います。これはフィールドプレーヤー10人
の配置を「後列→前列」へと順に横並びになる人数で簡易的に表現していますが、
これもそうした戦術意図の一端を、整理して示したものです。

 こうしたことに工夫を積み上げ、自分の思い描くプレーを実現できるチーム編成
を考えることは、熱心なサッカーファンの方ならば大きな楽しみとするところで
しょう。

 
 

■自由な配置でゲームするには?

 そうした自由な布陣を用いて『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』を
プレイすることは、さほど難しくはありません。

 

1.試合する2人がお互い同意した上で、事前にチームの選手配置を決めておく
2.決めた選手配置を同時に公開して、選手をそのとおりにボード上に配置
3.通常のとおり、キックオフする側が選手コマ1つを選んでボールキープ
  状態にして、センターサークル中央マスに置いた状態から試合開始

 
――といった形で遊んでいただければ良いでしょう。配置を同時に見せ合うのは、
「相手の配置を見て、それに合わせて選手の位置をずらして……」
といったことを防ぐためです。

 
 ただし。
 試合する両者がゲームボード全面を使って自由な選手配置を決めたとしても、
同じマス位置に互いの選手がバッティングしてしまう可能性が高く、それでは
ゲームになりません。
 そこで、選手を配置できるゲームボード上の範囲を、下のように制限します。

 

 ●選手配置できるのは「自陣」の範囲内のみ
  「自陣」= ハーフウェイライン(センターライン)手前までの範囲
 ●センターサークル内側のマスを除く(キックオフの都合上)

 
 実際のサッカーも、試合開始の時 選手は「キックオフされるまでハーフウェイ
ライン手前にいなければならない」と決められており、より現実に沿ったルールと
なります。

 
 

■選手配置記録シート

 試合前にチーム選手配置を決めるには、記録用紙を用意してそこに記入すると
良いでしょう。

 そのために専用の『選手配置記録シート』を用意しました。
 印刷・コピーしてご利用ください。

 

選手配置記録シート > [PDF]


 
 

◆選手配置記録シートの使いかた

 シートはゲームフィールドの半分を表しています。
 これを自陣側として、スターティングメンバー11選手、サブ6選手を
選抜・配置してください。
 選手を配置するマスにはそれぞれ、そこに置く選手コマの略称
([Dri]、[Spr]など)を記入します。

 ※[GK]コマは必ずスターティングメンバーとして配置してください。

 ファイル 42-2.jpg

 暗くなっているマスは配置できない所です。配置は白く空いた範囲の
マスに行えます。

 シート右側には、基本の選手構成(17選手)が一覧になっています。
 ここにチェックをつけて、配置選手の人数や構成に誤りがないかを確認
しながら布陣を考えていくと良いでしょう。

 ファイル 42-3.jpg

 
 試合開始後には敵陣側に位置取らせておきたい攻撃的な選手は、
ハーフウェイラインぎりぎりの場所など前方に進出しやすい配置にしておいて、
試合開始後に逐次移動させるようにしましょう。

ファイル 42-4.jpg

 多くのコマを前方に進めるには手数がかかることでしょうけれども、
配置の意図がうまくかみ合えば、固定配置でのゲームより早く 決定的な攻撃
の形が生まれることも。

 
 

■さらにさらに「本当に本当の」自由配置をするには??

 ……と、自由な選手配置について語った本稿ですが、ここまでの内容は、
「選手の種類&数」の構成そのものは基本パッケージに収められたままを
想定していました。
([GK] 1、[Fig] 4、[Spr] 3、[Bal] 2、[Pas] 2、[Dri] 3、[Mov] 2
 ……が2チーム分)

 この範囲内で自由配置を楽しむ分には、それほど手間でもなく、
試合する両者の公平も保たれる……というのがその理由なのですが。

 しかし。

 基本パッケージのままの選手構成では、
たとえば「[GK]+[Spr]10人で挑む!」といったような極端なものも含む、
本当の意味での「自由なチーム編成・戦術の実現」ができない!
……と、不満に思われることがあるかもしれません。

 
 こうした、真に自分だけのチーム構成を実現するには?

 そのために必要になるのは、まず選手コマに貼り付けるシールです。
 じゅうぶんな選手コマ用シールがあれば、基本パッケージの選手コマに貼り付け
直して、欲しい選手コマだけを得ることができるでしょう。

 
ファイル 42-5.jpg
 ※シールをいろいろ貼り替えれば、こんなチーム編成も実現可能に!

 
 そこで近々、これを含めた追加拡張ルールをまとめて紹介する「拡張セット」を
少量作成して、そこに予備の選手シールも同梱して頒布しようかと検討しています。
 これは詳細が決定し次第ここで発表しますので、よろしくお願いします。

 
 コマへのシールの貼り付け直しが面倒/破損が怖い……といった場合には、
これはちょっとコストを要することになってしまいますが、コマ用の木製チップを
新たに購入してしまう方法もあります。

 
 
 下記のサイトで販売されている「木製円形チップ/直径25ミリ×7ミリ厚」が
『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』の選手コマとまったく同一の
サイズですので、これらとシールによって、追加の選手コマを作ることができます。

 カラーバリエーションも各種あるようですので、好きな実在チームのカラーで
チームを構成してみるのも良いかもしれません。

 
◆[萬印堂]ボードゲーム・カードゲームの販売所 「ゲームの素材」コーナー

 
 
 

■おわりに

 この自由配置を用いたゲームプレイは少々手間が増えるものではありますが、
サッカーの戦術面の面白味を、ゲームボード上により深く再現してくれます。

 どの選手たちのどんな連携で相手ゴール攻略を目指すのか?
 どの位置にどう選手を置けばそれが実現できるのか?

 ――サッカーのそうした側面に興味が深まってきたなら、
『選手配置記録シート』を前にひとりでフォーメーションを考えるだけでも
楽しみが見出せることでしょう。

 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・14

 
 
前回よりつづき》

 
 《青》の攻勢。左サイドで[Dri]が《赤》ペナルティエリアに狙いを定める
中で、《赤》の手番から続きます。

 
《第27手終了時》
ファイル 40-1.jpg

 
 

●前半14分/第28手

 《赤》の第28手。
 《青》の攻め方を考えてみると、ボールを持っている《青》[Dri]は現状、
直接《赤》ペナルティエリアに入り込むことはできません。他ならぬ味方の
[Spr]コマがその進路上にいるからです。しかし[Dri]自身がエリア内に進入
できなくても、エリア手前に進んで[Spr]にボールを渡してしまえば、そこから
すぐにサイコロを使ったシュートを放つことができます。確実に相手守備を
崩すような効果的な攻撃ではなく、一発に賭けるギャンブルではありますが、
初手からシュートを打ってきた《青》の性格を考えれば、これをやってくる
可能性は十分にありそうです。

ファイル 40-2.jpg
  ※《青》[Dri]が[Spr]にボールを渡してシュート……の例

 
 《赤》はここで、このように対応しました。

ファイル 40-3.jpg

 長くペナルティエリアに居座っていた《青》[Spr]をエリア外に押し出すこと
で、[Dri]突入からのシュートを阻止しつつ、守備陣形はそれほど乱さない動き
です。
 時間は進めず。

 

●前半15分/第29手

 これを受けての《青》第29手。
 速攻は防がれましたが、それはどうということはありません。
 じっくり攻めていくべく、[Pas]を移動させて左サイドの連携を強めます。
 時間は前半15分に。

 
 

●前半15分/第30手

 《赤》の第30手。
 移動した《青》[Pas]を、こちらも[Pas]で追います。
 相手に隣接してフリーでない[Pas]は攻勢時に活かすことができませんが、
相手にもそれを強いることで互いに[Pas]の特性を活用させない、潰し合いを
続ける格好です。
 時間は進めず。

 
ファイル 40-4.jpg

 
 
 試合開始直後を除けば、これまでチャンスを得られていない《青》ですが、
ここから得点機を作っていけるでしょうか。

 
《第30手終了時》
ファイル 40-5.jpg

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・13

 
 
前回よりつづき》

 《赤》が守備網を作っていく中で、《青》が攻撃の手を探っている状況から
続きです。

 
《第24手終了時》
ファイル 39-1.jpg

 
 

●前半13分/第25手

 《青》の第25手。
 第24手で《赤》が前線の[Fig]を下げて対応してきたのは、《青》にとっては
少し予想外でしたが、これはそれほど問題ではありません。

 右サイドにいる[Mov]を下げて、《赤》[Fig]から改めてボール奪取した[Bal]
からボールを受けます。
 時間は前半13分に。

 
 

●前半13分/第26手

 これに対して《赤》は、これ以上この中盤のエリアでボールを争うことは
しません。もとより、この場で《青》がボールキープできることは承知して
いましたので。

 ここでやるべきことは、ボールキープした《青》が仕掛けてくるであろう
攻撃を予測して、それに備えることです。
 まずは危険度の高いところからということで、初手から自陣ペナルティエリア
にずっといる《青》の[Spr]を改めて[GK]でケアします。
 時間は進めず。

 
ファイル 39-2.jpg

 
 

●前半14分/第27手

 《青》の第27手。
 ボールをキープしたところで、《青》の攻撃が始まります。
 《青》は、まずは攻撃の起点を左サイドの[Dri]と定めました。[Mov]が
あらためて[Dri]に隣接し、ボールを渡します。
 時間は前半14分に。

ファイル 39-3.jpg

 [Mov]が中継役となって、[Bal]から[Dri]へとボール運んだ格好です。
 《青》[Dri]が、味方[Spr]のいる《赤》のペナルティエリアへの突入を
伺う形ができました。

 
 
《第27手終了時》
ファイル 39-4.jpg

 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・12

 
 
前回よりつづき》

 《青》が攻撃に転じるに向けて、安全にボールキープしようとしています。
 その流れの中でボールを受けた[Pas]に対して《赤》の[Pas]が寄せて、
いちどボールが《赤》[Pas]に渡った……というところから今回の続きです。

《第22手終了時》
ファイル 37-1.jpg

 
 

●前半12分/第23手

 《青》の第23手。
 まず、直前に《赤》[Pas]によって奪われたボールはすぐに奪い返すことが
できます。そして、その[Pas]が《赤》の[Pas]を避けて安全にボール保持する
動きを検討します。

 《赤》の追随を受けない形でのボールキープをすぐに手早く行うには、
[Pas]を他の味方コマと隣接・連携させるのが有効です。隣接していれば、
より安全な方へとボールを受け渡すことができるので。
 現在の状況で、一手で[Pas]との連携ができるのは、左右やや後方にいる
[Fig]と[Bal]です。どちらを連携させるにしろ、動くべきは[Pas]かもう一方か、
という点も考えどころでしょう。
 それぞれの場合を見てみましょう。

 
ファイル 37-2.jpg

 [Pas]が[Fig]に寄せて隣接しても、[Fig]には《赤》[Dri]が隣接している
ので、これはうまくありません。
 [Fig]が動いて[Pas]に寄せれば、問題なくボールキープはできそうです。
しかし《青》としては、[Fig]が動くことで、《赤》の[Dri]と[Spr]の進路を
塞ぐ「蓋」が失われてしまうことが気になりました。もしかするとこのことが、
後で《赤》の攻勢になった時に危険を生んでしまうかもしれません。

 [Pas]が[Bal]に寄せた場合。移動からそのまま[Bal]にボールを渡してしま
えば《赤》[Pas]からのチェックを防ぐことはできますが、《赤》は前線の
[Fig]を下げれば[Bal]にプレッシャーをかけられます([Bal]の方から[Pas]に
寄せた場合も、《赤》[Fig]によるチェックが可能なのは同じですね)。
 《赤》にしてみれば、前線中央にフリーで構えるこの[Fig]コマは、後で攻勢に
転じた時に重要な役割を担わせたいところでしょう。しかし、このコマは現在
《青》の陣のオフサイドラインを越えた位置にいます。この機会にひとまず
位置を少し下げておこう…と《赤》が考える可能性はじゅうぶんにあります。

 《青》は考えて、[Pas]を動かして[Bal]と連携させることにしました。
 移動した[Pas]が、《赤》[Pas]からボールを奪い、そのまま隣接した[Bal]に
受け渡します。
 時間は前半12分に。

ファイル 37-3.jpg

 
 

●前半12分/第24手

 《赤》の第24手。
 《赤》は《青》が考えた通り、前線の[Fig]を後方に下げて《青》[Bal]を
チェックに行きました。

※図・《赤》[Fig]を後方に下げ、ボール奪う
ファイル 37-4.jpg

 これは守備の効果よりもむしろ、後のためにオフサイドライン手前に位置を
移しておくことが《赤》の目的です。
時間は進めず。

 
 
《第24手終了時》
ファイル 37-5.jpg

 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・11

 
 
前回よりつづき》

 前半11分、《赤》の連続シュートをしのいだ《青》が、[GK]から[Pas]へ
ボールを渡そうとしています。こんどは《赤》の守備です。

《第21手終了時》
ファイル 34-1.jpg

 

●前半11分/第22手

 《青》の[Pas]に対して《赤》は、こちらも同じ[Pas]が唯一プレッシャーを
かけられる位置にいます。しかし、双方[Pas]コマは他の味方コマと連携して
いない(隣接していない)状態にあり、《赤》が[Pas]で寄せてもすぐにボール
を奪えるわけではありません(移動してからのボール奪取では 次手ですぐまた
奪い返されることになるので)。
 《青》の手も、それを見越してのものでしょう。多少《赤》コマに追い回され
ても[Pas]はボールキープできるだろう、という考えです。

 そして、《赤》第22手。
 ここまでを踏まえての《赤》の守備開始アクションですが、《赤》は結局、
まず自らの[Pas]を相手[Pas]に寄せることを選択しました。
 時間は進めず。

ファイル 34-2.jpg

 《青》[Pas]をただちに抑え込むことはできなくとも、守備を組み立てていく
ためには相手[Pas]を追えるコマが1つ以上必要だという考えからです。
(ここでボールを奪う行為は無意味なようですが、一応行っておけば そこは人間
どうしの対局、相手にいつどのようなミスが出るか分からないものです)
 また差し当たって、《青》の前線の[Spr]が下がって[Pas]と連携することを
防ぐ効果もあります。

ファイル 34-3.jpg

 
 《青》は次手から 奪われたボールを[Pas]に奪い返した上で、《赤》の[Pas]を
避けて安全にボール保持する動きを検討していくことになります。

 
 
《第22手終了時》
ファイル 34-4.jpg

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・10

 
 
前回よりつづき》

●前半10分/第20手

《第20手終了時》
ファイル 33-1.jpg

 
 《赤》による、サイコロ判定シュートの連続攻撃が行われています。
 いちど判定に失敗しても、すぐまた次のシュートを放つ《赤》。
 さてそのボールの行方は?

 
 《赤》がまたサイコロを振ります。

ファイル 33-2.png

 
 《赤》には痛恨ですが、今回もシュートは失敗。得点できませんでした。

 《青》[GK]がボールを持ち《青》の手番です。

 

●前半11分/第21手

 《青》第21手。
 《青》としては、一連の攻撃で失点とならず一安心です。直前の指し手で
備えておいた甲斐がありました。
 《赤》の攻撃の手から逃れるためにここで《青》がとるべきアクションは、
[GK]を図の位置に移動させることです。

ファイル 33-3.jpg

 《赤》が[Mov]を使ってさらに《青》[GK]を追ったとしても、上図のように
《赤》[Mov]はペナルティエリアの外に出ることになります。
 そのため、「ボール保持者を追う → ボール奪う → そのままシュートする」
……という連続攻撃はここで途切れることになるのです。
 《赤》がパス妨害のためだけに[Mov]を[GK]に寄せてきたなら、《青》は
次手で[GK]を一歩後退させてしまえば、もう《赤》はすぐにそれを追うことは
できません。

ファイル 33-4.jpg

 
 以上のことから《青》は第21手として、[GK]を《赤》[Mov]の背後に移動させ、
そのまま[Pas]とパス交換をします。
 時間は前半11分に。

ファイル 33-5.jpg

 《赤》としては、あわよくば3度め以降のシュートも狙っていましたが、
《青》の冷静な対応で、そこまでは至りませんでした。

 ~続きます。

 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・9

 
 
前回よりつづき》

 前回、《赤》はペナルティエリア外からのシュートを餌にして《青》[GK]を
ゴール前に釣り出し、そこを狙ったボール奪取でただちにサイコロ使用のシュート
にチャレンジしました。
 今回はそのシュート判定からです。

 
《第18手のシュート》
ファイル 32-1.jpg

 
 《赤》がサイコロを振り、1の目が出ればゴール=得点です。

 
ファイル 32-2.png

 
 シュートは失敗。
 《赤》は時間を進めることはなく、前半9分のままです。
 《青》の[GK]にボールが渡り、《青》の手番となります。

 《青》としては、ただちに[GK]を安全な場所に移動させて攻撃に転じたい
ところです([GK]以外を動かす、という選択はあり得ません。[GK]を移動させ
ない限りは、《赤》は得点が入るまで何度でも「ボールを奪ってシュート」を
繰り返すだけのことだからです)。
 しかしすぐに、それができないことに気づきます。

 この手番で[GK]がペナルティエリアのどこに移動しても(または傍の[Fig]に
隣接してボールを渡しても)、《赤》は[Fig]か[Mov]、または[Mov]の「マン
マーク移動※」で《青》[GK]を追いかけ、ふたたびペナルティエリア内での
シュートができる状況になっているのです。
 どうやら、ここまで折り込んでの《赤》のプランだったようです。

 
《この時点で《赤》[Fig]&[Mov]がフォローしている範囲》
ファイル 32-3.jpg

※マンマーク移動
 自選手コマが隣接した状態の相手選手コマが移動した時、直後の手番で
 通常のコマ移動に代わり、隣接の自選手コマでそのまま相手の移動コマ
 を追いかけることができる特殊な移動ルール。

 これを用いると、そのコマ本来のルールでは不可能な位置への移動が
 できる。

 
 こうなると、《赤》の2度めのサイコロ判定シュートは避けられません。
それならば、このシュートで失点した場合はもう仕方がないと割り切って、
シュート失敗の幸運に備えた行動をとっておくべきでしょう。
 つまり、2度めのシュート失敗でボールが自[GK]に渡ったときに、またすぐ
《赤》にボールを奪い返され3度めのシュートを浴びる――という事態を
避けられる位置取りを、この時点で[GK]にさせておくことです。

 

●前半10分/第19手

 《青》の第19手。
 連続シュートを浴びるのを避けるための[GK]移動先として、《青》は
図の位置を選びました。

ファイル 32-4.jpg

 そして、最前線の[Spr]に長いパスを試みておきます。
 すぐにまたボール奪われることは確実な状況なので無駄な行為ではあるの
ですが、《青》としては一応念のため、といったところです。
 時間は進行して前半10分になります。

 

●前半10分/第20手

 《赤》第20手。
 当然、《赤》はすぐに想定していた連続攻撃を行います。
 《青》[GK]の動きに追随するため[Mov]にマンマーク移動させ、そのまま
ボールを奪うとただちにシュートします。

 
ファイル 32-5.jpg

 選択するのは、もちろんサイコロによるシュートです。
 果たしてこのシュートはゴールとなり、《赤》の連続攻撃を実らせるでしょうか。

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・8

 
 
前回よりつづき》

 
《第15手終了時》
ファイル 30-1.jpg

 
 第15手で、《青》はいよいよ直接《赤》のボールを奪いに迫り始めました。
《青》の[Mov]は次手には、《赤》[Dri]に接しつつ同時に その隣でボールを
保持する[Spr]にもプレッシャーをかけられる体勢をとることができます。

ファイル 30-2.jpg

 《赤》としては、そろそろ攻撃を加速させなくてはならないでしょう。
 ボール位置と逆の左サイドから攻撃参加の人数を分厚くする試みは《青》に
対応されましたが、そのゴール前には手薄な部分があります。
 完璧な形でのゴールには手数が足りないと思われるので、《赤》はサイコロ
を使ったシュートでの波状攻撃に意識を向けることにしました。運に任せた
シュートでも、繰り返し打てば得点できる確率は高くなります。

 考えた末、《赤》は次のような連続攻撃を仕掛けていきます。

 
 

●前半8分/第16手

 《赤》の第16手。
 前線の[Fig]を前方に進めるとともに、隣接する《青》[GK]に「競り合い」を
して、位置を入れ替わります。
 そして、右サイドでボールキープする[Spr]が、そのままの位置から[GOAL]コマ
の中央・[OA]に向かってシュートします。
 時間は進めず。

ファイル 30-3.jpg

 

●前半9分/第17手

 《青》の第17手。
 《赤》のシュートを受けたため、対応しなければなりません。
 シュートを打った《赤》[Spr]に直接アプローチしてシュートを止めることは
できない状況なため、シュートを受けている[GOAL]コマ([OA]コマ)の方に
選手を寄せてボールをキープする必要があります。
(ペナルティエリア外からのシュートは、「シュートを打っている選手」、
「シュートを受けている[GOAL]コマ」のどちらからでもシュートを止める
ことができます)

 [GOAL]コマ([OA]コマ)に隣接する動きができる《青》の選手は[GK]のみ。
 [GK]を移動させてボールをおさえました。
 時間は前半9分に。

ファイル 30-4.jpg

 

●前半9分/第18手

 《赤》の第18手。
 ここから《赤》が畳み掛けます。

 《赤》は[Mov]がゴール正面奥に進入し、《青》[GK]がおさえたボールを
すぐに奪回。そしてそのまま隣接する[Fig]にボールを預け、[Fig]は即座に
シュートします!
 今回選ぶのはサイコロを使ったシュートです。

ファイル 30-5.jpg

 サイコロによるシュートの場合、[GOAL]コマのどれを狙うかは実質どこにも
影響を与えません(シュート成功なら得点~キックオフとなり、失敗ならば
相手[GK]にボールが渡って再開、となるので)。
 あくまで「とりあえず」の事として《赤》は[OA]コマへのシュートの形を作り、
サイコロでの判定に挑みます……

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・7

 
 
前回よりつづき》

 
《第12手終了時》
ファイル 29-1.jpg

 《赤》は右サイドでボールをキープしつつ、逆の左サイドにも攻めの道筋を
構築しようとしています。

 直前の《赤》の動きで、《赤》左サイド(《青》側から見て右サイド)の
[Spr]が直進するルートが開かれました。
 こちら側の[Spr]の位置取りが《青》にとって危険なのは、ペナルティエリア
の正面直線上に居ることです。ボールを受けて攻め込んでくれば、一手で危険
な存在になり得ます。

ファイル 29-2.jpg

 

 

●前半7分/第13手

 《青》の第13手。
 相手の仕掛けを目先で断ち切るばかりの対応は苦しいものですが、差し当たり
右サイド《赤》[Spr]の進路を[Fig]で切っておきます。同時に《赤》[Dri]の斜め
移動ルートも遮断する手です。
 時間は前半7分に。

 

●前半7分/第14手

 これに対し《赤》は第14手として、《青》のゴール前をかき回しにかかります。
 最前線中央に張る[Mov]を《青》[GK]と[Fig]の間に飛び込ませ、あえて密集を
作りました。
 時間は進めず。

ファイル 29-3.jpg

 

●前半8分/第15手

 《青》第15手。
 《青》としてはそろそろ《赤》の手へのリアクションばかりでなく、
ボールの奪いどころを意識しての守備に移りたいところです。
 《赤》の攻撃陣はボールを持つ[Spr]含め左サイド(《青》主観)に偏って
きつつあります。そこに追い込みをかけつつ、徐々に《赤》がボールキープ
しにくくなるよう網を張っていければ僥倖です。

※現状《赤》は、前線のコマを駆使してペナルティエリアでの
 サイコロ判定シュートをする余地を様々持っています。
 しかしこれについて《青》は、大して問題視していません。

 むしろそうしたシュートを打たせた方が、
 高い確率でボールを取り戻すことができる。
 じっくり手数をかけた攻撃を受けて 完璧な形で失点してしまうことこそ
 避けるべき――という考えです。

 (《青》[GK]の行動が相手コマで制限されているようであれば、
 シュートが外れた後もまたすぐボールを奪われて波状攻撃を受ける
 危険がありますが、今はそういう状況でもありません)

 
 そのスタートとして、まずは守備に回る手数を増やすことに着手します。
 こちらも、まず動くのは[Mov]。前線にいる[Mov]を、左[Dri]の側に
寄せます。この後さらに位置を下げていく第一歩としてです。
 時間は前半8分に。

ファイル 29-4.jpg

 目に見える直近の危険をとりあえずかわしつつある《青》は、積極的な守備
に移ろうとしています。

 
 
《第15手終了時》
ファイル 29-5.jpg

 続きます。

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・6

 
 
前回よりつづき》

 
《第8手終了時》
ファイル 28-1.jpg

 前半4分、《赤》が[Spr]と[Dri]との連携で《青》の自陣左サイドを
崩しにかかろうという状況の中、《青》はどう受けて立つか。前回はまるまる
これについて検討し、いよいよ《青》の第9手です。

 
  

●前半5分/第9手

 《青》の第9手。
 さまざま手を探った上で、《青》は[GK]を前に出して相手の動きを牽制
することにしました。
 [GK]で《赤》[Mov]に寄せつつ、同時に[Dri]、[Fig]によるペナルティエリア
への進入にプレッシャーをかけます。
 時間が1分経過して、前半5分となります。

 
 

●前半5分/第10手

 《赤》の第10手。
 先の《青》第9手によって、《赤》としては右サイド[Dri]による攻撃が
ちょっとやりにくくなりました。
 でも慌てずに。ボール保持者への《青》のプレッシャーはまだ無いので、
じっくり攻撃を組み立てればいいことです。
 遅攻ならば、ここはひとつ[Pas]に活躍してもらいましょう。

 [Pas]を左斜め前方へ一歩。《青》コマのチェックを受けない位置に移動
します。これで《青》は、[Pas]に一手で接することができなくなるわけです。

 そしてそのまま、[Spr]から[Pas]にパスを送ります。

 [Pas]コマの特徴は、そこから送ったパスが「必ず通る」ことです。
(ボール交換中、相手はパス送り先の選手からボールを奪うことができません)

 次手で[Pas]が安全にパスを受けられれば、[Pas]を起点に攻撃を開始できる
ので良し。《青》が[Pas]をマークしようとする動きを見せたなら、[Spr]に
ボールを戻してまた別の手を考えればいいことです。[Pas]に釣られて相手が
さらに隙を見せてくれたらしめたもの。
 時間は進めず。

ファイル 28-2.jpg

 
 

●前半6分/第11手

 《青》の第11手。
 《赤》[Pas]にボールが渡れば、次手にはおそらく《赤》前線の選手に
「必ず通る・奪えないパス」が飛んでくるでしょう。
[Mov]や[Fig]にパスを送ってシュートチャンスを狙ってくるか、左サイド
(《青》の右サイド)にいる[Dri]にパスして、こちらからの突入も窺って
くるか。俄然 選択肢が増え、主導権はいよいよ完全に《赤》のものになって
いくと予想できます。

 《青》は、まずは《赤》[Pas]がやりにくくなる状況を作ることが重要だと
考え、じぶんの[Pas]コマを寄せておくことにしました。一手で《赤》[Pas]
に接触できる位置です。
 [Pas]コマは パスを送る先では相手の妨害を受けませんが、その時[Pas]
自体は無防備です。[Pas]能力に対抗するには、[Pas]コマそのものへの
チェックを欠かさないことが最も有効といえます。
 時間が経過し前半6分に。

ファイル 28-3.jpg

 
 

●前半6分/第12手

 《赤》の第12手。
 《青》[Pas]がポジションを移したことで、《赤》[Pas]の自由はちょっと
制限されました。それでもなお[Pas]にボールをキープさせて攻撃する道は
あるかもしれませんが、位置が自陣側ということもあり、《青》の巧い対応で
ボールを奪われると危険なカウンターを浴びる可能性があります。
 ここは《青》[Pas]が動いたことを逆利用して、さらに攻撃ルートを増やす
ことで相手守備を揺さぶりましょう。

 パス交換中のボールはひとまず右サイドの[Spr]に戻して、逆側左サイドの
[Spr]を、右斜め前方へ移動します。
 これで、左サイドの[Spr]も敵陣に突入する正面の空いたルートを得たこと
になります。時間は進めず。

ファイル 28-4.jpg

 [Spr]の正面を空けるには、他に[Spr]前方にいる[Dri]の方を移動させる
方法もありますが、《赤》はここでは[Spr]を動かすことにしました。
 [Spr]の位置がそのままでは、上下移動しても《青》の[Spr]によってずっと
追従できる位置関係にあること。そして正面ルートが開けたとしても、《青》
としてはアウトサイド側の[Dri]/[Spr]どちらでもそれを塞ぐことができて
しまい、守備陣をゆさぶるメリットがあまり無いと思われること。そのあたり
が理由です。

 
 
《第12手終了時》
ファイル 28-5.jpg

 《赤》の攻勢がじわじわ強まりつつ続きます。

 
 
《つづく》