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『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・5

 
 
前回よりつづき》

 
《第8手終了時》
ファイル 27-1.jpg

 
 《赤》が着々と攻撃を組み立てつつあり、《青》は守勢な状況です。
 《青》は自陣左サイドを《赤》の[Spr]に突かれ、[Dri]と連携できる態勢を
作られました。
 《赤》は、次の《青》の対応に合わせて攻め方を変えることができます。

 では、ここで《青》はどう受けるのがいいでしょうか。
 《青》はあれこれ検討します。

 

●[Fig]を再度上げて《赤》[Dri]のルートを塞ぐ

 《赤》の[Spr]が[Dri]にボールを渡せば、[Dri]はペナルティエリア
中央まで一気に入り込むことができる状況です。《青》がこれを防ぐべく
[Dri]の斜め移動コースを切るには、まず第7手で後退させた[Fig]を
(ディフェンスライン上下操作で)再度上げる手があります。

ファイル 27-2.jpg

 しかしこれでは、第7手でいちど牽制した《赤》[Spr]の直進を
ふたたび許すことになってしまいます。良い対処法とはいえません。

 

●[Bal]を下げて《赤》[Dri]のルートを塞ぐ

 同じく《赤》[Dri]の斜め移動コースを切るのに、[Bal]を下げて
対応する手も考えられます。

ファイル 27-3.jpg

 良い対応とも思えますが、こんどは自陣中央のスペースを大きく
空けてしまうことになるのは、どうでしょうか。

 

●[GK]を前に出して牽制する

 高い位置で《赤》[Dri]の移動コースを切るのではなく、
進入することのリスクを上げる/メリットを減じることで
《赤》の意図を牽制する、という対処も考えられます。

 [GK]を図の位置に動かして、《赤》[Mov]に寄せつつ同時に
[Dri]、[Fig]がペナルティエリアに入れる図の「●」位置に
睨みを利かせることができます。

ファイル 27-4.jpg

 直接《赤》のアクションを制限する手ではありませんが、
「最後の所でやらせない」守備としては悪くありません。

 

●前方の[Spr]または右サイドの[Fig]を守備に下げる

 第1手でのシュートに使った[Spr]か、あるいは右側の
[Fig]を後方に下げ、守備の数を増やす手はどうでしょう。

ファイル 27-5.jpg

 これも直接相手の選択肢を消すものではありませんが、
先々までピンチへの対処力をもたらせそうです。
 また、[Spr]を中央ゾーンで後方に控えさせておくと、
再び第1手のように「ボールを持たせて敵陣突入~シュート」
という不意打ち攻撃の機会が狙えるかもしれません。

 
 さて《青》は、これらの中からどの手を選択するのが良いのでしょうか。
 もう少し悩みつつ、次回に続きます。

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・4

 
 
前回よりつづき》

 
《第6手終了時》
ファイル 26-1.jpg

 
 

●前半4分/第7手

 《青》の第7手。
 《青》としては悩ましい状況に陥っています。
 《赤》の[GK] ⇒ [Spr]のパス交換も、続いて来るであろう[Spr]の自陣への
突入も、すぐに阻むことはどうやらできません。

 [Spr]に自陣深く入られたなら、オフサイドライン後方に置き去りにしたはず
の《赤》[Mov] [Fig]も活かされる恐れがあります。再びディフェンスラインを
戻そうにも、現在のラインに加わっている[Bal]が《赤》[Fig]に後方を塞がれて
いるため、それもできなくなっています。こうなっては、ディフェンスラインを
一気に上げた先ほどの着手は、良い判断ではなかったと言わざるをえません。

 それでも、残っている守備のコマが[GK]だけというのは危険なため、《青》は
やむなく[Fig]1つだけを後方に下げることにしました。
 時間が1分経過して、前半4分となります。

ファイル 26-2.jpg

 
 

●前半4分/第8手

 《赤》の第8手。
 まず、先にパス交換中だった[Spr]にボールを保持させます。

 ここで《赤》としては、この[Spr]を敵陣の最も奥、コーナーの位置まで突入
させられれば理想的な攻勢に転じられたところなのですが、さすがに《青》も
それを容易に許しはしませんでした。

ファイル 26-3.jpg

 そこでひとまず[Spr]を、自コマの[Dri]に隣接する位置まで前進させます。
 [Dri]と[Spr]の連携でもって右サイドを攻略しようという意図です。
 この位置では、[Spr]と[Dri]との間で自由にボール交換ができますが、ここ
ではそのまま[Spr]にボールキープさせます。これならば《青》のコマは一手で
ボールを奪いに行くことはできません。

ファイル 26-4.jpg

 ここも時間は進めず、前半4分のままです。

 
 
《第8手終了時》
ファイル 26-5.jpg

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・3

 
 
前回よりつづき》

 
《第3手終了時》
ファイル 25-1.jpg

 
 

●前半3分/第4~5手

 《赤》による第4手。
 攻勢に移るため、まずは《青》の守備陣を刺激して動かすことを考え、
[Mov]を相手ペナルティエリアに進入させます。時間は経過させません。

 これを受けて、《青》による第5手。
 ペナルティエリアに入った《赤》の[Mov]は、ここにパスが入るとサイコロ
判定でのシュートが可能になるので、これに対処したい(あるいは、後で対処
できる態勢を作っておきたい)ところです。
 そのためには、《赤》の[Mov]に先んじてコマを隣接させておく方法も
ありますが、ここで《青》は別の対応をとることにしました。
 直前の第3手によって移動コースが開いたので、それを利用してディフェン
スライン全体を前進させます。
 [GK]を除く最後尾に位置するコマは、次に前方にいる自チームコマ位置まで
の範囲で、同時にいくつでも一斉に上下動させることができるのです。

 
ファイル 25-2.jpg

 最後尾に並んだ3バックを、[Bal]コマの高さまで一気に前進させました。

 これによって、《赤》最前線の[Mov]と[Fig]はオフサイドポジションに
いることになり、このままではパスを受けることができなくなりました。

 時間も進行して前半3分となります。

 
 

●前半3分/第6手

 《赤》の第6手。
 前線の[Mov]と[Fig]をすぐ攻撃の起点に使うことはできなくなってしまい
ましたが、相手陣に広い空間ができたことは大きなチャンスです。
 また、すぐにボールを失う可能性もまだ無いので、じっくりと攻撃の形を
考える余地があります。

 《赤》はサイドからの攻撃を検討します。
 両サイドにいる[Dri]コマ、そしてその後方にいる[Spr]コマを使って、
敵陣の深い位置まで進入できれば、前線の[Mov]と[Fig]とも連携させて
分厚い攻撃が可能になるからです(※オフサイドポジションにいるコマも、
後方に戻す形のパスならばオフサイドにならず受けることができます)。

 《赤》は[Spr]コマがより自由な位置取りになっている右サイドに目標を
定めます。まず右側[Spr]を右前方マス、フィールド右端に移動させて前への
進路を確保。さらに[GK]とパス交換を行いました。
 時間は進めず。

 
ファイル 25-3.jpg

 
 

 《赤》としては右サイドの攻略を目指すにあたって、[Spr]移動
の前に次のような手を指すことも考えられました。

ファイル 25-4.jpg

 
 前線の[Fig]コマを右に1歩移動させ、《青》の[Fig]と[Bal]が
後方に下がるルートを塞ぐ着手です。
 これによって、[Spr]コマを敵陣に突入させた時に《青》の守備
対応を邪魔できるメリットが見込めます。

 しかし今回《赤》は、《青》に対応の間を与えずに攻撃を進めた
方がいいと考え、この手は捨てることにしました。

 
 
《第6手終了時》
ファイル 25-5.jpg

 
 《青》としては、早く《赤》の攻撃意図を挫いてボールを奪ってしまいたい
ところですが、ここはちょっと悩ましい状況です。
 《赤》の[GK] ⇒ [Spr]のパス交換も、続いて来るであろう[Spr]の自陣への
突入も、すぐに阻むことはどうやらできません。
 《青》はしばらく守備対応に追われることになりそうです。

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・2

 
 
前回よりつづき》

 
 
 《青》先手による初手、[Spr]コマを用いてキックオフ直後にシュートする
試みは、サイコロの目に恵まれず失敗となりました。
 これで試合は最初の1分が経過。
 《赤》チームの[GK]にボールが渡り、《赤》の手番に移ります。

 
《第1手終了時》
ファイル 24-1.jpg

 《赤》としてはすぐに反撃に移りたいところですが、その前に、ボールを
持っている[GK]をこのままにしておくこには危険が伴います。
 これを放置したまま攻撃のために他のコマを動かしてしまうと、次手で
《青》がすぐに[GK]からボールを奪い返して再度シュート、という行動をとる
可能性があるからです。

 《青》、第1手でシュートした[Spr]を《赤》[GK]に隣接させて
ボールを奪えば、そのまま再びシュートすることができます。

 通常のシュートならば《赤》には後手で防ぐ対応方法もあります
が、またサイコロを使ったチャレンジをされれば《赤》は運任せに
する他ありません。

ファイル 24-2.jpg

 
 
 そこで《赤》はまず[GK]を、ボールをすぐに奪われない位置に移動します。
 [GK]コマは、自陣ペナルティエリア内ならばどこにでも移動できます。
移動させる位置は、
「[Spr]はじめ《青》のコマが一手で隣接できない」
「味方コマとボール交換の連携ができる」
……ということを考え合わせて、右前方すぐの[Fig]隣りを選びました。

 後手は1手ごとに試合時間1分を進行させるかどうか選ぶことができます。
 今回《赤》は時間を進めませんでした。

 
 

●前半1分/第2手

ファイル 24-3.jpg

 つづいて《青》の手番。
 《青》としては、すぐにボールを奪い返せるでもなく、また《赤》が
どんな攻撃を仕掛けてくるか、まだ意図が見える段階ではありません。
そのため、無難に守備を整えることを考えました。
 とりあえず、初手で[Spr]が大きく空けた自陣のスペースに睨みを利かせる
ために、《青》主観で左側の[Fig]コマを左方に移動します。
 当面3バックで守る態勢です。

 先手《青》の手番は必ず時間が進行するため、これで前半2分となります。

 

●前半2分/第3手

ファイル 24-4.jpg

 
 
 
《第3手終了時》
ファイル 24-5.jpg

 
 
《つづく》

 
 
 

『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』対局リプレイ・1

 
 
 今回から、『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』の対局例を、
手筋を追いながら紹介していきます。
 実際に遊ぶ上での参考や、ゲームのプレーイメージをつかむ助けになれば
さいわいです。

 細かなルールについて疑問点がありましたら、こちらの主サイトで公開している
説明書を参照してください。

 
 対局例となるゲームは、90分時間カウントで試合終了となる通常形式です。

 シュートに関しては、サイコロを使った選択ルールを導入してプレーされます。
つまりペナルティエリア内でシュートを試みる時、プレイヤーは通常のシュートの
代わりに、サイコロ運によってゴールを判定することを選ぶこともできます。

 その場合はサイコロを振り、出目が1ならゴール。
 出目が2~6ならシュートは失敗。ボールは相手[GK]コマに移り、相手側の
手番になる――というルールとなっています。

 
 それではご覧ください。

 
 
 
 

●前半0分~1分/第1手

 
《前半開始・初期配置》
ファイル 23-1.jpg

 前半は《青》チームが先手と決まりました。
 まず《青》は試合開始=キックオフのために、選手コマ1つを選んでボードの
センターサークル中央に移動させなくてはなりません。
 中央に置いた選手コマを「ボールキープ状態」(裏返し)にした状態から、試合
は始まります。移動するコマは、[GK]以外ならフィールド上のどのコマを移動させ
てもかまいません。

 どの選手コマでキックオフするか? 《青》は考えます。
 実は、サイコロを使うルールを適用する場合、先手には、試合開始の第1手めで
いきなりシュートを試みる手段があります。

 [Spr]を中央に置いてキックオフすると、その[Spr]の前方には、
相手ペナルティエリアまでの進路が一直線に開いています。
 ボールキープした[Spr]を初手で一気に突入させれば、そこですぐに
シュートのチャレンジができるわけです。

 しかし[Spr]の初期配置は、自陣深い位置の両サイド。初手シュートの
ためにここを左右どちらか空けてしまうと、相手にそこを突かれる危険が
あります。

 
ファイル 23-2.jpg

 
 考えた末、《青》は開幕シュートへの挑戦を選びました。
 《青》からみて左サイドの[Spr]にボールキープさせ、センターサークルに移動。
そのまま第1手で相手のペナルティエリアに突入し、[GOAL]コマの[OA]に
向かってシュートします。

 
《第1手・前半1分》
ファイル 23-3.jpg

 シュートの判定をサイコロですることを宣言し、《青》がサイコロを振ります。
1の目が出ればいきなり先制ゴールです……

 
ファイル 23-4.png

 ……残念。シュートは失敗でした。
 《青》の手番はこれで終わり。
 《赤》の[GK]にボールが渡った状態で、《赤》の手番に移ります。

 
《第1手終了時》
ファイル 23-5.jpg

 
 
《つづく》

 
 
 

各コマ解説とルール補記の内容をメインページにも置きしました

「サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?」について、
これまでこちらに挙げていた「各コマの解説」と「ルール補記」の内容を、
メインページにも設置しました。内容は同一です。

 
  
 

各コマの解説:[Pas]編

ファイル 18-1.png

 
 『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』をプレイする際に、
各コマの特性を活かすには?――コマの種類ごとに、ごく基本的なところを
紹介します。最後は[Pas]コマについて。

 [Pas]コマの特性は、「確実なパス交換」ができること。
 [Pas]コマからパスを送られた味方選手コマは、相手にボール奪取されることなく
次の手番で確実にボールを受けることができます。
 対戦相手が[Pas]コマからのパスを妨害するには、出し手である[Pas]コマに
選手を直接隣接させてボールを奪うほかありません。

 
ファイル 18-2.jpg

 
 [Pas]コマがその特長をフルに発揮するためには、[Pas]コマ自身がボールを
受ける時に すぐ相手に奪われないよう、位置取りに気を配ると良いでしょう。
 つまり重要なのは、[Pas]コマが相手選手コマと隣接しない「フリー」な状態を
どれだけ保っておけるか……ということになってきます。

 いかに[Pas]コマをフリーにできるか。
 その方法について、例として下記にいくつか挙げてみます。
 実際のゲームでの状況は相手あってのもので千差万別なので、ここに挙げた
すべてが常に有効であるわけではありません。
 これらを参考に、局面に合った活かし方を工夫してみてください。

 
 

●[Pas]コマをフリーに保つには:例1

 とにかく「スペース」に位置取らせることを心がけましょう。
 すべての相手選手コマから離れた、空いた空間=スペースに[Pas]コマを
置いておけば、ボールをあずけてのパス配給をさせやすくなります。

 [Pas]コマは移動能力が高くはないので 大きく位置を動かすのは手間なことも
あります。多少は手数をかけて位置取りさせることも考慮に入れておきましょう。

 
ファイル 18-3.jpg

 ※このゲームでの「スペース」というのは、必ずしも広大な余裕ある空き領域
  だけを指すものではありません。
  ([Spr]コマはじめ長い距離を一気に移動できる存在があるため、
   空き空間が必ずしもフリーを約束してくれるわけではない)
  大事なのは、「相手選手コマが一手二手で隣接するのが困難な位置」を
  わずかな間隙でいいので見つけることです。
  相手の各選手コマの移動できるコース(利き筋)を、よく観察しましょう。

 
 

●[Pas]コマをフリーに保つには:例2

 試合の瞬間々々に絶えず変化するスペースを捜し続けるのが難しければ、
自陣深く、チームの守備組織の中に[Pas]コマを置いてしまえば、相手コマとの
接触は避けやすくなります。

 また手数はかかりますが、いっそのこと自陣コーナーに[Pas]コマを置いて
しまえば、ますます相手に手出しされにくくなります。
 この場合、相手の[Spr]コマの動きには特に気を配っていてください。

 ※敵陣のコーナーもスペースにはなりやすいですが、オフサイドになるのを
  避けてこの位置取りを活かすのは なかなか困難でしょう。

ファイル 18-4.jpg

 
 

●[Pas]コマをフリーに保つには:例3

 最後に紹介するのは、極端ながら時に有効な方法です。
 [Pas]コマを味方選手コマで囲んだ状態でボールキープさせるようにすれば、
[Pas]コマのフリー状態をほぼ確実に保つことができる……というものです。

 
     ※サイドいっぱいの位置でなら、味方選手コマ2つで[Pas]コマを守る
       ことができます。

ファイル 18-5.jpg

 
 ただしこの方法は、どうしても選手を一箇所に密集させることになるため、
フィールドの他の場所には、味方の守備の及ばない広いスペースを作って
しまいがちです。
 そうしたスペースは、相手がじっくりと攻撃を組み立てる場所として
利用されてしまうことを考慮しておく必要があります。

 
 

各コマの解説:[GK]編

ファイル 17-1.png

 
 『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』をプレイする際に、
各コマの特性を活かすには?――コマの種類ごとに、ごく基本的なところを
紹介します。今回は[GK]コマについて。

 [GK]コマの特性は、「自陣ペナルティエリア内のどこでも移動できる」ことです。
 ペナルティエリア外でも[Fig]コマと同様の移動ができますが、基本的には
[GK]コマはペナルティエリア内に留め置いて、守備の任を負わせることになる
でしょう。

 
 

●最後の瞬間に頼るばかりでは危険

 「ペナルティエリア内のどこでも移動できる」という[GK]コマのみの移動能力は、
失点の危険をギリギリのところで止められる、まさに最後の砦といえるものです。
しかし注意しなければならないのは、相手がシュートした後で[GK]コマを動かし
「移動~ボール奪う」としても、隣接したままの相手選手コマにすぐに奪い返されて
しまう、ということです。

ファイル 17-2.jpg
               ※移動~奪っても直後に奪い返される

 
 [GK]コマから再度ボールを奪った相手は、そこからまた移動・攻撃を続けられます。
 これを[GK]コマがまた独りで後手に追いかけるばかりでは、相手の波状攻撃を
受け続け、いつか[GK]コマが追いきれない状態がふと訪れた瞬間に守備は決壊、
失点することになってしまうでしょう。
 では、そうなることを防ぐには?

 

 

●先回りして備える

 有効な守備方法は、相手の攻撃意図を予測し、先んじて備えてしまうことです。
対応されてしまったと分かれば、目論見を挫かれた相手は、別の手を考えることを
強いられます。

 また相手が守備対応に気づかないならば、用意した守備網にまんまと飛び込んで、こちらにボールを奪われるがままになってくれます。
 守備側としては そうなることが最高の結果ですが、そのためにうまく活用したい
のが、相互の連携(隣接関係)を意識した他の味方選手コマの位置取りです。

 ペナルティエリア内に進入してきた相手選手コマに対して [GK]コマが後追いで
シュートを止めに行ったとしても、その[GK]コマの移動先マスに味方選手コマが
隣接していれば、[GK]コマからのボール交換によって 相手からボールを奪いきる
ことができます。

ファイル 17-3.jpg

 
 つまり[GK]コマの守備を活かす上で重要なのは、[GK]コマ自身よりむしろ
それをサポートする他の味方選手コマの動きだ、ともいえます。
 相手の攻撃に先んじて備えようという時には、味方選手コマを[GK]コマと
連携(隣接)させやすい位置に移動させるのがお勧めです。
 そうして周囲の選手をうまく使えば、[GK]コマはその力を十全に発揮してくれる
でしょう。

 
 

●それでも守るのが難しければ?

 相手の攻撃が予測の上を行っていて、先回りしての対応が難しい場合には、
どんな対応方法がとれるでしょうか。
 そんな時は、ディフェンスラインを下げて、ペナルティエリア内に多くの
選手コマを置いておく他ないかもしれません。
 味方が多ければ、[GK]コマは動いた先で味方選手コマと隣接できる可能性が
高くなります。
 このあたりは、現実のサッカーと同じです。

 しかしこの方法を採ると、ペナルティエリア外で味方の数が手薄になり、
相手にボールを持ってじっくり攻撃する機会を与えてしまったり、こちらが
攻勢に転じにくくなったりします。

 一旦チーム全体が守備的な態勢になってしまうと、その形勢を覆すのは難しい。
 これも、現実のサッカーに通じる部分といえます。

ファイル 17-4.jpg
        ※ペナルティエリア内守備に人数をかける
 
 
 

各コマの解説:[Spr]編

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 『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』をプレイする際に、
各コマの特性を活かすには?――コマの種類ごとに、ごく基本的なところを
紹介します。今回は[Spr]コマについて。

 
 [Spr]コマは、前後に直線移動ができるのが特長。[Dri]コマとは異なり
ボールをキープしている/いないに 関わらずこの長所は発揮できるため、
自陣~敵陣を自在に行き来して攻守両面にわたる活躍が望めます。

 
 
 [Spr]コマを活かすため、移動経路を保つことには常に気を配りましょう。

 敵陣に進入しての攻撃に活かしたい場合は、いかに「さりげなく」突入経路を
得るかが鍵です。
 直前に[Spr]コマを突入路に移動させたりすると、相手にも警戒されてしまいます。
 数手にわたって一連に展開する攻撃パターンを頭に描いて、相手に意図を
悟られないようじっくり「仕込み」を行い、準備が整ったところで一気に
たたみ掛ける――
 一手で前線の攻撃参加人数を増やすことのできる[Spr]コマは、そんな時に
特に威力を示すでしょう。

 
 

●サイドで活用する

 [Spr]コマを、初期位置でもあるフィールドの両サイドに置いて活かすには。
 サイドは自陣/敵陣を問わず、安全なボールキープができる位置を比較的
取りやすい領域です。
 相手選手コマがすぐに近寄れない場所でボールをキープして、その間に他の
コマを動かして、より分厚い攻撃を組み立てましょう。
 実際のサッカーにおけるサイドバックやウイングバックのような活かし方です。

ファイル 16-2.jpg

 
 

●中央寄りで活用する

 [Spr]コマを、フィールドの中ほどに投入して活かすには。
 フィールド中央寄りの領域はなにかと敵味方の選手コマが集まりがちですが、
うまく突入経路を作り出せれば、後方から相手ペナルティエリアの決定的な
位置に一気に飛び込み、得点機会を作ることも可能です。
 実際のサッカーにおけるリベロのような活用法です。

ファイル 16-3.jpg

 
 

●効果的なボールの運搬手として

 長距離移動ができる[Spr]コマなので、[Dri]コマ同様に、
「隣接コマから受け取る → 移動 → 行き先の隣接コマに渡す」
 といった、大きくボールを移動させるアクションは効果的です。

ファイル 16-4.jpg

 
 
 

各コマの解説:[Dri]編

ファイル 15-1.png

 
 『サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?』をプレイする際に、
各コマの特性を活かすには?――コマの種類ごとに、ごく基本的なところを
紹介します。今回は[Dri]コマについて。

 
 [Dri]コマは、自身でボールを持って直接運んでいく能力に長けたタイプの
選手です。
 左右のフェイントを用いながら相手をかわしつつ突き進むその動きを、
チェスの「ビショップ」のような斜め方向の直線移動で表現しています。
 ボールを持たない[Dri]コマは小さな移動能力しかありませんが、
ひとたびボールキープしたなら、後方からでも一気に敵陣を突破する
攻撃の尖兵となることが可能です。

 ボールを持ってこそ力を発揮する[Dri]コマは、明らかに攻撃に特化した
戦力といえます。

ファイル 15-2.jpg

 
 

●普段から通り道のキープを

 [Dri]コマを活かす考え方のひとつとして、ボールキープ状態でない時にも、
斜め直線移動のルート(角道)が開かれているよう意識すると良いでしょう。
 ボールを持っていない[Dri]コマは、相手に侮られがち。
 普段から通り道をキープしておけば、隣接受け渡しなどで瞬時にボールを
持たせて相手の不意を突く、といったことができます。

ファイル 15-3.jpg

 
 

●効果的なボールの運搬手として

 下の図は、
     【隣接コマからボールを受ける】
            ↓
        【[Dri]コマ移動】
            ↓
     【行き先の隣接コマにボール渡す】

 ……といった1回のアクションを示したものです。
 このように、一気に敵陣に斬り込む大きな移動が可能な[Dri]コマは、
ボールの隣接受け渡しもあわせて駆使することによって、1回の手番だけで、
時に思ってもみないほど遠くまでボールを運ぶことができます。

 こうした、サッカー的言い方をすれば「長短織り交ぜた素早いボールまわし」
は、攻撃する上でいろいろなメリットをもたらします。

 ●相手守備の緩い場所で余裕をもって攻撃を組み立てるのに有効
  (相手がすぐに奪えない場所でボールをキープしてしまえば、
   分厚い攻撃のため他の選手コマを動かす隙ができる)

 ●PA内への突入で、味方どうし相手マークから守り合いつつ
  危険なシュートを狙うことができる

 ●隣接受け渡しを経てボールを持つことは、[Dri]コマの突入を
  予測しにくくする効果も

ファイル 15-4.jpg